湿球黒球温度(読み)シッキュウコッキュウオンド

デジタル大辞泉 「湿球黒球温度」の意味・読み・例文・類語

しっきゅうこっきゅう‐おんど〔シツキウコクキウヲンド〕【湿球黒球温度】

人体熱収支に大きく影響する湿度輻射熱気温から得られる指標。暑熱環境下でのリスク評価に用いられる。単位は℃ 暑さ指数WBGT(wet bulb globe temperature)。
[補説]乾球温度湿球温度黒球温度の値を用い、屋外の場合は0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度、屋内の場合は0.7×湿球温度+0.3×黒球温度で算出される。環境省気象庁は、熱中症の予防に役立てるため、4月から10月までの間、全国各地の暑さ指数を発表している。

日常生活に関する指針
暑さ指数(WBGT)注意すべき生活活動の目安注意事項
危険(31以上)すべての生活活動でおこる危険性高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
厳重警戒(28以上31未満)同上外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
警戒(25以上28未満)中等度以上の生活活動でおこる危険性運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
注意(25未満)強い生活活動でおこる危険性一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。
環境省「熱中症予防情報サイト」からの抜粋

運動に関する指針
気温(参考)暑さ指数(WBGT)熱中症予防運動指針
35℃以上31以上運動は原則中止特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合には中止すべき。
31℃以上35℃未満28以上31未満厳重警戒(激しい運動は中止)熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10~20分おきに休憩をとり水分塩分補給を行う。暑さに弱い人※は運動を軽減または中止。
28℃以上31℃未満25以上28未満警戒(積極的に休憩)熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
24℃以上28℃未満21以上25未満注意(積極的に水分補給熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
24℃未満21未満ほぼ安全(適宜水分補給)通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。
※暑さに弱い人:体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人など
環境省「熱中症予防情報サイト」からの抜粋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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