熱中症(読み)ねっちゅうしょう

知恵蔵の解説

熱中症

炎天下での激しい運動などで体温調節が障害を受け、けいれん、めまい頻脈、意識不明などを起こす症状。死亡に至ることもある。大量発汗後に多量の水分を補給することで、血液塩分濃度が低下して起こる熱けいれん、過度の脱水により、体内の水分とイオンが減少する熱疲労、高温による皮膚血管の拡張により血圧が低下して起こる熱失神、体温の過度な上昇により中枢機能が異常をきたす熱射病、の4つに分類される。防止するためには、スポーツの前や途中で適度に水分を補給し、発汗を促して体熱を放散しやすくすること。水分としては、汗に失われるミネラルを配合してあるものが望ましい。給水量は、スポーツで減量する体重相当分とする。

(鈴木正成 早稲田大学スポーツ科学学術院特任教授 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

熱中症

室内、屋外にかかわらず、高温や多湿な環境で体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節ができなくなって起こる。重症度によって、手足しびれ筋肉痛などが起こる1度(軽症)、頭痛や吐き気などが起こる2度(中等症)、体の内部の深部体温が上がり、意識を失う3度(重症)に分けられる。

(2017-02-17 朝日新聞 夕刊 1社会)

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デジタル大辞泉の解説

ねっちゅう‐しょう〔‐シヤウ〕【熱中症】

高温環境にさらされたために起こる障害。脱水・けいれん・虚脱などが現れる。熱射病もこの一種。高温障害。発症の危険度を判断する数値に、暑さ指数(湿球黒球(しっきゅうこっきゅう)温度)がある。→湿球黒球温度
[補説]熱中症の重症度による分類
分類重症度主な症状治療臨床症状
I度軽症めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗現場での応急処置が可能熱けいれん・熱失神
II度中等症頭痛・気分の不快・吐き気・おう吐、力が入らない、体がぐったりする病院への搬送が必要熱疲労
III度重症意識がなくなる、けいれん、歩けない、刺激への反応がおかしい、高体温入院・集中治療が必要熱射病

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世界大百科事典 第2版の解説

ねっちゅうしょう【熱中症】

高温下での労働といった職業的原因で起こる熱射病をいう。日本でも,かなり昔から〈よろけ〉という名称で,鉱山等の高温多湿の環境で働く作業者によく起こった熱中症が記載されている。ごく最近まで高熱のもとでの作業は,鉱山,製鉄,紡績工場,ボイラー室等においてよくみられたが,今日では技術革新によって高温作業の内容が変化するとともに,高温にさらされる時間の減少,冷房設備の設置等により,かつてのような極端な作業環境は少なくなってきた。

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大辞林 第三版の解説

ねっちゅうしょう【熱中症】

高温下での運動や労働のため、発汗機構や循環系に異常をきたして起こる病気。体温上昇、発汗停止とともに虚脱・痙攣けいれん・精神錯乱・昏睡こんすいなどを起こし、生命の危険を伴うこともある。

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世界大百科事典内の熱中症の言及

【熱射病】より

…高熱の環境に暴露されることによって起こる疾患。高熱条件下での作業といった職業的原因によるものの場合熱中症ということが多く,太陽の直射を受けて発症する場合は日射病といって区別する。人体は,これをとりまく外気温の上昇にともなって末梢循環血液量が増加し,外気と直接に接している皮膚からの放射,対流によって放熱効果をあげているが,38~39℃を超えると,発汗作用による放熱が主力となる。…

※「熱中症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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