演色性(読み)エンショクセイ(その他表記)colour rendering property

デジタル大辞泉 「演色性」の意味・読み・例文・類語

えんしょく‐せい【演色性】

照明による物体の色の見え方の特性。色が自然光で見た場合に近いほど、演色性がよいという。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「演色性」の意味・読み・例文・類語

えんしょく‐せい【演色性】

  1. 〘 名詞 〙 光源の色の性質を表わす語。その光で物体の色を照らしたとき、どう見えるかという性質で、物体の色が太陽光線の下で見た場合に近いほど、演色性がよいという。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「演色性」の意味・わかりやすい解説

演色性 (えんしょくせい)
colour rendering property

各種の人工光源について,物の色をどれだけ自然に見せるかという観点から評価した性能。人間は太陽光の下での物の色の見え方をもっとも自然と感ずる。太陽光と違った光の組成をもつ人工光源の下では,同じ物でも違った色に見え不自然と感ずる。例えば,図に示すように蛍光灯は太陽光とはまったく異なったスペクトル(光をプリズムで分光し,各波長に含まれるエネルギー割合を示したもの)を有する。つまり,光の組成がまったく異なる。初期の蛍光灯はこの差がはなはだしく,ことに赤い色が少なかったので,刺身が黒く見えるという苦情が出た。こういう光源は演色性が低いのである。最近の蛍光灯は,蛍光材料の進歩によりスペクトルが改善され演色性が高まっている。各種光源の演色性を評価する方法も確立してきた。これは,いくつかの試験色について光源による色の見え方の違いを定量的に把握し,演色評価数を算定して評価するのである。色を自然に見せなければならない場所を照明する際には,演色評価数の高い光源を採用しなければならない。例えば,デパートの服地売場などが代表例であるが,製品検査を製品の色を見て行う工場などでも,光源の演色性に配慮が要求される。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「演色性」の意味・わかりやすい解説

演色性
えんしょくせい
color rendering

光源が放射する光の分光分布が異なれば,照明された物体の色は異なって見える。この性質を光源の演色性という。たとえば食肉のような暖色系の物体は,赤黄色光の多い白熱電球で照明すれば鮮かに見え,青色光の多いケイ光灯で照明すればどす黒く見える。したがって,演色性の度合いを示すのに平均演色評価数という数値が用いられ,照明用光源の性能を示す一つの指標になっている。また,色名を決めるために国際照明委員会 CIEによって標準光源が規定されており,通常は平均昼光に近いC光源の照明のもとで,標準色標と眼視により比較して色名を決める。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

家とインテリアの用語がわかる辞典 「演色性」の解説

えんしょくせい【演色性】

照明器具が物体を照らしたとき、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質のこと。自然光で見た場合に近いほど演色性がよいとされる。

出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android