濁世(読み)だくせい

精選版 日本国語大辞典 「濁世」の意味・読み・例文・類語

だく‐せい【濁世】

〘名〙
① にごった世の中。道徳政治の乱れた世の中。汚れた世の中。だくせ。
吾妻鏡‐文治五年(1189)一二月九日「誠是希代之厳重、濁世之規模、何事如之」 〔史記‐孟子荀卿列伝〕

じょく‐せ ヂョク‥【濁世】

〘名〙 (「じょく」は「濁」の呉音) 仏語。濁り汚れた人間の世。末世五濁悪世(ごじょくあくせ)。だくせ。
往生要集(984‐985)序「夫往生極楽之教行。濁世末代之目足也」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)仏五左衛門「いかなる仏の濁世塵土に示現して」 〔法華経‐勧持品〕

だく‐せ【濁世】

〘名〙 (「せ」は「世」の慣用音) =だくせい(濁世)
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉五〇「人生れて濁世(ダクセ)汚穢を被り、容易に之を蝉蛻すること能はず」

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デジタル大辞泉 「濁世」の意味・読み・例文・類語

だく‐せ【濁世】

政治や道徳の乱れた世。だくせい。「濁世に交わる」→じょくせ(濁世)
[類語]俗世間世俗俗界塵界風塵

じょく‐せ〔ヂヨク‐〕【濁世】

仏教で、濁り汚れた世の中。末世まっせ。だくせ。
[類語]末世末の世

だく‐せい【濁世】

だくせ(濁世)

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普及版 字通 「濁世」の読み・字形・画数・意味

【濁世】だくせい

乱れた世。〔史記、平原君伝論賛〕原君は(へんぺん)たる濁世の佳子なり。然れども未だ大體を睹(み)ず。

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