瀬戸神社(読み)せとじんじや

日本歴史地名大系 「瀬戸神社」の解説

瀬戸神社
せとじんじや

[現在地名]金沢区瀬戸

泥亀でいき大川おおかわ釜利谷かまりや町にまで湾入していた中世の金沢入江の中心にあり、現洲崎すさき町との間に潮の干満激しい急湍を領知する霊神として祀られた。照葉樹林の社叢二千一二〇坪が平潟ひらかた湾に臨む。「吾妻鏡」元仁元年(一二二四)六月六日・嘉禎元年(一二三五)一二月二七日条などに七瀬霊所の一として記される「六浦」霊所であろう。祭神は大山祇命・速須佐之男命・菅原道真ほか一一柱。旧郷社。延慶四年(一三一一)四月二六日銘の藤原経尹奉納の神号額には「正一位大山積神宮」とあり、応安七年(一三七四)四月一五日銘の梵鐘には「瀬戸三島社」とあり、応永三〇年(一四二三)銘の銅板御正体には「三島大明神」と記す。謡曲「放下僧」には「瀬戸の三島」とある。

社伝によれば、治承四年(一一八〇)源頼朝がこの霊域を卜して伊豆三島明神を勧請し、建久三年(一一九二)社殿造営、社領三〇〇町を寄進したという。源実朝の献詠和歌を伝える。


瀬戸神社
せとじんじや

[現在地名]吉良町瀬戸 宮西

県道岡崎―横須賀線の東約二〇〇メートルの丘上に、西林さいりん寺に隣して鎮座天照大神・豊受姫神・天児屋根命・瓊瓊杵尊・国常立命を祀る。創立年代は不明。建久七年(一一九六)源頼朝が上洛の途次参拝して社殿を復興したという。応永二九年(一四二二)将軍足利義持が社殿を造営、社領三〇〇貫文の田地を寄進、制札を下している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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