火焼島(読み)かしょうとう(その他表記)Huǒ shāo dǎo

改訂新版 世界大百科事典 「火焼島」の意味・わかりやすい解説

火焼島 (かしょうとう)
Huǒ shāo dǎo

中国,台湾省南東部の台東市の東25kmにある島。緑島ともいう。面積約15km2。付近にある蘭嶼(らんしよ)とともにフィリピンから続く火山脈に属する火山島である。住民漢族で,この点で蘭嶼住民が高山族系のヤミ族からなるのと異なっている。生業農業漁業で,農業では米作が行われ,漁業ではトビウオ漁が主となっている。
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百科事典マイペディア 「火焼島」の意味・わかりやすい解説

火焼島【かしょうとう】

台湾の南東岸,台東市の東25kmにある小島で,1949年に緑島と改称された。約15km2南方蘭嶼(らんしょ)と同じく,安山岩よりなる。周囲は珊瑚礁。南半部では西に火焼山(281m),東に阿眉山(275m)があり,絶壁をなす。北部は低平で,漢民族が住み,漁業,農業に従事するが,有史以前は緑島はフィリピン群島から台湾東海岸に移住する台湾先住民の移動の中継点であるとする人類学の知見がある。日本統治時代には重犯罪の監獄が設置され,戦後も国民党政府によって政治犯が投獄されたが,戒厳令解除後は観光地として発展している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「火焼島」の意味・わかりやすい解説

火焼島
かしょうとう / フオシャオタオ

台湾島の東方海上に浮かぶ不毛の火山島。台東の東32キロメートルに位置し、南76キロメートルに蘭嶼(らんしょ/ランユイ)がある。島を緑化する願いを込めて緑島(りょくとう)ともよぶ。面積27平方キロメートル。隆起サンゴ礁に囲まれ、火焼山(281メートル)と阿眉(あび)山(275メートル)が島の中央に並び、温泉が湧出(ゆうしゅつ)する。アミ族と漢族が住み、おもに漁業、農業を営む。政治犯を収容する軍事監獄があることで内外に知られている。

[劉 進 慶]

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