とくに明るい大流星。火の球が飛ぶように見えるというところからきた名である。どのくらいの明るさ以上のものを火球とよぶか厳密な定義はないが、空に見える星のなかでもっとも明るい金星(マイナス4等級)よりも明るいものをいう場合が多い。
流星群のなかに火球とよばれるような明るいものが現れることもあるが、概して単独で現れるものが多く、途中で爆発したり、火の粉を振りまくように分裂したり、また著しい痕(あと)を残したりするものも多い。なかには大きな爆音をとどろかすものもあるが、とくに著しいのは隕石(いんせき)となって地上まで落下するような場合で、夜でも真昼のように明るくなるほどの大火球が現れ、大砲のような大音響を伴うことが多い。
[村山定男]
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…このことが放出エネルギーの配分を通常爆薬と異質なものにしている。核爆発後1×10-6秒以内に,超高温となった核兵器残滓は主としてX線の形で大量のエネルギーを放出するが,空中爆発ではこのX線は1m内外の空気に吸収され,極度に高温となった空気と気化した残滓が火の玉もしくは火球fireballと呼ばれる光り輝く球状の塊を形成する。火の玉は放射線と熱線を放出しつつ,急速に膨張を続けるとともに,しだいに冷却され,上昇によって空気の抵抗を受け球形からドーナツ形に変化し,放射能雲のきのこ雲mushroom cloudを形成する(図5)。…
…このことが放出エネルギーの配分を通常爆薬と異質なものにしている。核爆発後1×10-6秒以内に,超高温となった核兵器残滓は主としてX線の形で大量のエネルギーを放出するが,空中爆発ではこのX線は1m内外の空気に吸収され,極度に高温となった空気と気化した残滓が火の玉もしくは火球fireballと呼ばれる光り輝く球状の塊を形成する。火の玉は放射線と熱線を放出しつつ,急速に膨張を続けるとともに,しだいに冷却され,上昇によって空気の抵抗を受け球形からドーナツ形に変化し,放射能雲のきのこ雲mushroom cloudを形成する(図5)。…
…英名meteoriteも〈空あるいは大気中からの石〉の意味である。
[隕石の落下]
隕石が落下する際には巨大な火球が現れ,夜間ならば真昼のように明るくなることもあるし,多くの場合大気の衝撃波による大爆音をともなうので多くの人びとを驚かす。音響の聞かれる範囲は数十km四方に及ぶことも珍しくない。…
…明るさは粒子の質量などで違い,望遠鏡でやっと見える暗いものから満月より明るいものまでさまざまである。とくに明るい流星を火球という。流星物質には1mg以下のものから数tに及ぶ質量のものまであるが,平均的なものは1g以下で,0.2~0.3g/cm3の低密度である。…
※「火球」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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