流星群(読み)リュウセイグン(その他表記)meteoric stream

デジタル大辞泉 「流星群」の意味・読み・例文・類語

りゅうせい‐ぐん〔リウセイ‐〕【流星群】

毎年ほぼ決まった時期に、多数流星天球上のある一点から四方に飛び出すように現れる現象彗星すいせいが崩壊して生じた流星物質太陽の周りを公転しており、地球がその軌道を横切るときに見られると考えられる。

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精選版 日本国語大辞典 「流星群」の意味・読み・例文・類語

りゅうせい‐ぐんリウセイ‥【流星群】

  1. 〘 名詞 〙 太陽の周囲を公転する、惑星間物質集合体彗星(すいせい)が崩壊して軌道上に散乱したものと考えられる。
    1. [初出の実例]「十三年めに一度しかあらわれないというその流星群について」(出典:抱擁(1973)〈瀬戸内晴美〉一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「流星群」の意味・わかりやすい解説

流星群
りゅうせいぐん
meteoric stream

流星は通常の晴夜、1時間で散発的に2、3個は見ることができるが、毎年ほぼ決まった時期に、天球上の決まった方向から多くの流星が飛び出すように現れることがある。これが流星群で、その方向を放射点とよぶ。放射状に飛び出してくるように見えるのは、それらの流星体がそれぞれ平行して地球に飛び込んでくるためで、平行している鉄道線路や電線などが遠方で一点に集まるように見えるのと同様である。

 これらの流星体の群はそれぞれ特定の軌道をもって太陽の周りを公転しており、その軌道が地球の軌道と交差しているため、毎年地球がその交点に差しかかると多くの流星が見られることになる。流星群は、その放射点のある星座の名を冠してペルセウス座流星群ふたご座流星群などとよばれている。なお、流星群の多くは、その軌道が特定の彗星(すいせい)の軌道とよく似ている。これはその彗星が軌道上に振りまいた微塵(みじん)が流星群をつくると考えられるためで、流星群のなかには、たとえばジャコビニ流星群のように、母彗星の名でよばれるものもある。流星群には、1時間に数個程度の流星しか見られないものもあるが、大きな群では、1時間に100個以上も観測されるものがある。また、まれに毎分数千個もの流星が現れるものがあって、流星雨とよばれる。ジャコビニ流星雨やしし座流星雨などが有名であるが、これらはその母彗星が回帰した前後にだけ現れ、ほかの年にはきわめてわずかの流星しかみられないものが多い。こうした現象は、その軌道上で母彗星に近いところにだけ流星体が密集しているためにおこるもので、出現の期間もわずか数時間にすぎないものが多い。これらは若い流星群と考えられ、反対に古い流星群では流星体が軌道全体に平均して散在し、毎年ほぼ同様に出現する。これらは出現の期間も比較的長く、数日から数週間に及ぶものもある。

[村山定男]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「流星群」の意味・わかりやすい解説

流星群
りゅうせいぐん
meteoric swarm

同じ軌道上をそろって飛んでいる宇宙塵の流れを地球が横切ったとき,相対運動の前面にあたる地球の部分では集中的に流星が現れる。これを流星群といい,また天球上の一点から放射されるように降ることからその現象を流星雨ともいう。その放射の中心となる一点 (放射点) の位置にあたる星座名で呼ばれることが多く,またいくつかは軌道要素がすでに知られている彗星と一致し,その彗星がまき散らした流星物質によるものとみられるので,その彗星の名でも呼ばれる。流星群の軌道は,惑星の摂動を受ける以外には安定なので,毎年決った日に現れ,数日間続くものもあるが,その軌道上の流星物質は均一に散在しているとはかぎらないので,年により出現状態には差がある。最近はレーダによる観測で,太陽に近い方向から飛んでくるため夜間に観測できない昼間流星群もいくつか発見されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「流星群」の意味・わかりやすい解説

流星群 (りゅうせいぐん)
meteor stream

毎年ほぼ決まった日の前後に,多数の流星が天球上の決まった1点を中心に放射状に出現する。こうした出現をする流星全体を流星群といい,天球上の中心を輻(放)射点という。この現象は,たくさんの流星物質がほぼ平行に軌道運動をしているところへ地球がさしかかるために起こる。それぞれの流星群を,輻(放)射点のある星座の名をとって,〈ふたご座流星群〉〈オリオン座流星群〉などという。おもなものを表に示す。
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百科事典マイペディア 「流星群」の意味・わかりやすい解説

流星群【りゅうせいぐん】

毎年定期的に出現する流星の一群。地上からは天球の一点(輻(放)射点)を中心にして多数の流星が四方に射出するように見え,この輻射点のある星座の名をとってこと座流星群,しし座流星群などと呼ぶ。流星物質は楕円軌道を描いて太陽のまわりを公転しており,地球がその軌道を横切るとき流星群が出現する。すい星をつくっていた物質が崩壊し,その軌道上に散らばったものと考えられる。
→関連項目すい(彗)星放射点流星

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