デジタル大辞泉 「無性」の意味・読み・例文・類語 む‐しょう〔‐シヤウ〕【無性】 [名]仏語。1 《「無自性」の略》実体のないこと。2 《「無仏性」の略》仏性のないもの。悟りを開く素質のないもの。⇔有性うしょう。[名・形動ナリ]分別のないこと。理性のないこと。また、そのさま。「朝精進をして、昼からは―になって」〈浮・三所世帯〉 む‐せい【無性】 生物で、雌雄の区別がないこと。⇔有性。[類語]有性・雌雄・雄・雌 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「無性」の意味・読み・例文・類語 む‐しょう‥シャウ【無性】 〘 名詞 〙[ 一 ] 仏語。① 実体としての自性がないこと。[初出の実例]「因縁尋覓曾无性、不生不滅无二終始一」(出典:性霊集‐一〇(1079)十喩詩)[その他の文献]〔唯識三十論頌〕② 仏性のないこと。さとりをひらく本性をもたないこと。また、そのような有情。⇔有性(うしょう)。[初出の実例]「大乗基師、立二比量一云。所説無性、決定是有 宗。有無二性、聖所説随一摂故 因。如二有性者一 喩」(出典:大乗法相研神章(822頃)四)[その他の文献]〔入楞伽経‐二〕③ 執着されるようなものの存在しないこと。空をいう。[初出の実例]「この一心をたづぬるに、その体無性にして、しかも染浄の体となる」(出典:歩船鈔(1362)本)[ 二 ] ( 形動 ) ( 実体がないこと、正体のないことから転じて )① 分別のないさま。道理のわからないこと。でたらめ。[初出の実例]「神事祭礼之場之けんくわ、何と聞候も理非なしの酒くるい也。然者無体無性之義、何と可二侘言一候哉」(出典:結城氏新法度(1556)七七条)② その行為・状態が前後の脈絡もなく激しく行なわれること。また、そのさま。むやみやたら。[初出の実例]「はりまかいとうまわるといふもむしゃうよ」(出典:歌謡・田植草紙(16C中‐後)晩歌一番)「めでたいめでたいとあをぎ立れば、アアむしゃうにめでたがるまい」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)中)「わたしのおっかさんはきついからむせうとお叱りだよ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三) む‐せい【無性】 〘 名詞 〙 下等動物などで、雌雄の性の区別のないこと。〔生物学語彙(1884)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例