無袋栽培(読み)ムタイサイバイ

デジタル大辞泉 「無袋栽培」の意味・読み・例文・類語

むたい‐さいばい【無袋栽培】

生育途中の果実袋掛けをしないで栽培すること。⇔有袋栽培

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精選版 日本国語大辞典 「無袋栽培」の意味・読み・例文・類語

むたい‐さいばい【無袋栽培】

  1. 〘 名詞 〙 果実に全く袋をかけないで栽培すること。

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改訂新版 世界大百科事典 「無袋栽培」の意味・わかりやすい解説

無袋栽培 (むたいさいばい)

袋掛けをしないでリンゴニホンナシモモなどの果樹の営利栽培を行うこと。袋掛けをした果実は,無袋栽培の果実に比べると,外観は美しいが,ビタミンCや糖の含量が低く,貯蔵性も劣る。このため,第2次大戦前から無袋栽培が推奨されていたが,実際に行われるようになったのは1960年ころからで,低毒性の有機リン剤やスピードスプレーヤーのような防除機械が普及し,薬剤によって大部分病虫害を防除することが可能になったのが大きな原因である。とくに労働力不足が深刻化するとともに,無袋栽培は急速に普及した。しかしながら,外観が重視される種類や,薬剤では病虫害を完全に防除することができない種類では,現在でも袋掛けが行われている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無袋栽培」の意味・わかりやすい解説

無袋栽培
むたいさいばい
non-bagging culture

発育中の果実に袋掛をしない果樹栽培をいう。農薬進歩によって,外観をそこなわず裂果の危険も少い種類,品種では,適切な薬剤散布で袋掛の手間を省けるようになった。りんごでは祝 (いわい) ,旭 (あさひ) のようなデリシャス系,紅玉などの品種に,日本なしでは褐色系なしに無袋栽培が普及している。しかし日本南半部では,果実の日焼けを防ぐため袋掛が必要なことも多い。

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百科事典マイペディア 「無袋栽培」の意味・わかりやすい解説

無袋栽培【むたいさいばい】

リンゴ,ナシ,モモなどの果樹を袋掛けせずに栽培すること。大部分の病虫害を薬剤で防除できるようになったことや労働力不足などで1960年ごろから普及した。袋掛けをした果実に比べ,外観は劣るがビタミンCや糖分の含量が多く,貯蔵性にもすぐれる。

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