(読み)セン

デジタル大辞泉 「煎」の意味・読み・例文・類語

せん【煎】[漢字項目]

常用漢字] [音]セン(呉)(漢) [訓]いる
水分がなくなるまで熱する。「煎餅せんべい香煎焙煎ばいせん
煮出す。「煎茶煎薬
難読煎海鼠いりこ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「煎」の意味・読み・例文・類語

せん【煎】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 火にかけて汁がなくなるまで煮ること。炒(い)ること。
    1. [初出の実例]「煎薬 考声切韻云煎〈煎一音箭〉煑薬汁令稠也」(出典:二十巻本和名抄(934頃)一二)
    2. [その他の文献]〔方言‐巻七〕
  3. 煎茶(せんちゃ)。また、煎茶の法、あるいは煎茶道
    1. [初出の実例]「余嘗謂、点者為賢、煎者為聖」(出典:随筆・清風瑣言(1794)序)
    2. 「煎は気のみなれば、眠をさまし、且心をすます益あり」(出典:随筆・胆大小心録(1808)一三九)

せん‐じ【煎】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「せんずる(煎)」の連用形名詞化 )
  2. せんじること。煮出すこと。
  3. ( 煎脂 ) かつおぶし製造のさい煮汁を煮つめたもの。調味料とする。いろり。煮取(にとり)。《 季語・夏 》
  4. せんじちゃ(煎茶)」の略。
    1. [初出の実例]「内に小判よみて是をたのしみにせんじ呑て暮しける」(出典:浮世草子・新吉原常々草(1689)上)

いれ【煎】

  1. 〘 名詞 〙 相場下落を予想して空売りしたのに、相場が高くなった時、損を承知で買い戻すこと。踏み。
    1. [初出の実例]「いれ。損して買うて仕舞ふ売方」(出典:大坂繁花風土記(1814)米方通言)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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