「牙儈(がかい)」は漢籍に見える語。売買仲介の業は古くからあって、「中媒(ちゅうばい)」と称されていたことについては、「建暦二年三月二十二日宣旨」にみえる。しかし、「すわい」「すあい」の語が見られるのは、室町時代になってからである。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…牙行はこの意味で卸売市場の不可欠の要素である。 戦国から唐まで,牙行は牙儈(がかい),駔儈(そかい)といった。牙は互(相互),儈は会(会合)の意味といわれ,売買需給の周旋と価格決定の機能を表しており,商人の原初形態とみられる。…
… これら諸産業の勃興をうながしたものは商業であり,とくに宋代は商業が飛躍的に発展した時代と特徴づけることができる。商人には,遠隔地商業を専門とする客商,都市に常住して店舗をかまえる坐賈(ざこ),仲買を業とする牙儈(がかい),牙人に大別することができ,大都市の商人たちは業種ごとに行(こう)という商人組合を結成した。行はもともと自律的な組織であったが,その大部分は政府所要の物資を調達するかわりに営業の独占権が認められた御用組合となり,二,三の豪商に牛耳られることが多かった。…
…これとは別に,〈すあい〉と呼ばれる仲買商人がいた。《七十一番職人歌合》では女の姿で描かれているが,素手で商品取引を行い,仲介料を取るものであり,牙儈,才取,牙婆,女商,牙儈女などと書く。越前南条郡の浦山内馬借は〈すわひ付の荷〉を扱わない旨の規約を結んでいる(〈西野文書〉)。…
※「牙儈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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