牛耳を執る(読み)ぎゅうじをとる

精選版 日本国語大辞典 「牛耳を執る」の意味・読み・例文・類語

ぎゅうじ【牛耳】 を=執(と)る[=握(にぎ)る]

(古代中国春秋戦国時代諸侯が盟約するときに、盟主となるべき人が、牛の耳をとってこれを割き、その血をすすって誓い合ったという故事から) 同盟の盟主となる。また、転じて団体党派などを左右する中心人物となる。会合などの成り行きを支配する。牛耳る。
※授業編(1783)凡例「余賤しくして又芸苑に牛耳をとる身にもあらねば」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「学校を握る者は社会の牛耳を握るのである」 〔春秋左伝‐哀公一七年〕

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デジタル大辞泉 「牛耳を執る」の意味・読み・例文・類語

牛耳ぎゅうじ・る

《中国の春秋戦国時代、諸侯が盟約するとき、盟主になるべき人が牛の耳をとって裂いて出した血をすすって誓い合ったという「春秋左氏伝」の故事から》同盟の盟主になる。また、団体の中心となって自分の思いどおりに事を運ぶ。牛耳る。

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故事成語を知る辞典 「牛耳を執る」の解説

牛耳を執る

ある団体や組織などの中心人物となり、その活動の行方を支配することのたとえ。

[使用例] かつてその少女は、明るく勝気でおしゃまで、常に遊び仲間の間でも牛耳をとっていたものであった[北杜夫*楡家の人びと|1962~64]

[由来] 中国の春秋時代諸国が同盟を結ぶときに、盟主となるべき者が牛の耳を手で裂き、みんながその血をすすって誓い合ったという故事から。たとえば、「春秋左氏伝」という歴史書では、定公八年の条と哀公一七年の条に、だれが「牛耳を執る」かが問題となった話が載っています。

〔異形〕牛耳る。

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