家庭医学館 「物理アレルギー」の解説
ぶつりあれるぎー【物理アレルギー Physical Allergy】
運動、温度の変化、光線、機械的刺激などの物理的刺激によって、じんま疹(しん)や気管支(きかんし)ぜんそくなどのアレルギー症状が現われます。
これらの症状は、肥満細胞(ひまんさいぼう)という細胞がヒスタミンなどの化学伝達物質を放出し、それが血管や気管支に作用しておこったものです。
最近、特定の食物摂取と運動がいっしょになっておこる「食物依存性運動誘発性(しょくもついぞんせいうんどうゆうはつせい)アナフィラキシー」という症状(後述)が注目されています。
[症状]
日光によっておこる皮膚炎、寒冷などの温度変化や機械的刺激によっておこるじんま疹、また、運動した後におこる気管支ぜんそくが代表的なものです。
また、パン、うどんなどの小麦粉製品やエビ、カニなどを食べて運動したのちに、じんま疹、血圧の低下、意識の消失などが現われる場合があります。これを食物依存性運動誘発性アナフィラキシーといいます。比較的まれなものですが、おとなよりも子どもにおこりやすいといわれています。
[治療]
まずは、予防がたいせつで、原因となる物理的な刺激を避けることです。
たとえば、温度の変化に対しては、着るものやマスクの着用などで対応します。
日光に過敏な場合には、長袖(ながそで)シャツや日焼け止めクリームなどを使います。
治療としては、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が使用されます。
なお、気管支ぜんそく(「ぜんそく(気管支ぜんそく)」)やアナフィラキシーショック(「アナフィラキシーショック」)に対する処置は、それぞれの項目を参照してください。