物理単位(読み)ぶつりたんい(英語表記)physical unit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「物理単位」の意味・わかりやすい解説

物理単位
ぶつりたんい
physical unit

物理量の大きさを数値で表すために定められた計量上の比較の基準。ある物理量 A の大きさが同種の物理量の大きさ aの Ā個分に等しいとき,単位 aに関して量 A は数値 Āをもち と書く。少数個の物理量の単位を与えれば,物理関係式を用いて,これらの単位からほかの物理量の単位を組み立てることができる。たとえば,速度 V で運動する質量 M物体の運動エネルギー K定義K=(1/2)MV2で与えられる。無次元の数 1/2は定義因数と呼ばれる。各量を数値と単位に分解すれば次の式を得る。
無次元の任意の数因子αを用いて,単位 kを与える単位方程式を k=αmv2とすれば,数値 は数値方程式 で与えられる。特に数因子αが 1ならば,数値方程式は定義式と同形となる。このとき単位 k,m,vは互いにコヒーレントな単位であるという。物理単位を分類すれば基本単位組立単位があり,論理的に構成されたこれら単位の体系単位系である。互いにコヒーレントな単位だけから構成された単位系をコヒーレントな単位系という。また,物理単位は定義の基準の原理的な厳密さによって,絶対単位実用単位とに分類される。絶対単位は厳密に不変とみなせる基準により定義され,厳密な基準の実現が困難なときに実現が容易な標準を設立して定義されたのが実用単位である。標準が国際的に承認された実用単位は,特に国際単位と呼ばれる。単位系がすべて絶対単位から構成されるとき,これを絶対単位系という。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「物理単位」の解説

物理単位

書誌単位を分割して形態的に独立した部分1点ずつについて記述する単位”(『日本目録規則1987年版改訂3版』用語解説).『日本目録規則新版予備版』における記述対象の設定は,これを原則に位置付けていた.しかし『同1987年版』は,物理単位を「書誌単位」の補足として位置付け,“資料の管理や所蔵記録のため,1点ずつの書誌的記録が必要なとき”,あるいは“目録とか出版物リストに収録するとき,1点ずつの書誌的記録を作成する必要があるとき”に採用することができるとした.多くの単行資料は,書誌単位による把握と物理単位による把握とが同一結果となるが,形態的に2点以上からなり,その各部分に固有のタイトルのない資料などについては,両単位による把握結果が異なるものとなる.なお,個々の図書館におけるそれぞれの資料の複本などを区別する単位も,同様に「物理単位」(もしくは「資料物理単位」)と呼ばれることがあるが,これは通常,所蔵事項に含まれることがらである.ちなみに,『日本目録規則2018年版』はこの用語を引き継いでいない.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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