ビタミンやホルモンなどの効力を国際的に統一して示すときに用いられる単位で、略してIUと記す。世界保健機関(WHO)で国際標準品を制定、配布している。きわめて微量で生理作用を有する物質について、純度を示すことができない場合、生理作用の強さで効力を表すことになる。その場合、試験動物の種類、性差、年齢など試験条件によって差を生ずるところから、つねに一定の力価を示す安定した製品を国際的に統一して国際標準品とし、これとの効力の比較を一定の条件下において試験し、そのものの単位を示すことがある。これが国際単位で、その物質が化学的にはっきり解明されると重量表示に変えられる。ビタミンや副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤などがその例である。現在、日本で使用されている医薬品のうち、含量を国際単位で表示しているものには、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤のオクトコグα(アルファ)、血漿(けっしょう)分画製剤の抗破傷風人免疫グロブリン、生物学的製剤であるインターフェロンα、インターフェロンβ(ベータ)、インターフェロンγ(ガンマ)、ホルモン剤では遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤、フォリトロピンアルファ、フォリトロピンベータ、血液凝固阻止薬(抗凝血薬)の低分子ヘパリン製剤であるダルテパリンナトリウム、パルナパリンナトリウム、レビパリンナトリウム、血栓(けっせん)溶解に用いられる酵素製剤(t-PA製剤)遺伝子組換えのアルテプラーゼ、チソキナーゼ、パミテプラーゼ、モンテプラーゼ、透析中の腎性(じんせい)貧血に用いられるエポエチンα、エポエチンβ、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)における疼痛(とうつう)治療薬サケカルシトニン(合成)などがある。
[幸保文治]
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