組立量の測定単位。組立量は基本量の組合せにより構成される。過去には、誘導単位とも称されていた。
面積は長さの2乗、体積は長さの3乗の組立単位である。メートル毎秒(m/s)、およびセンチメートル毎秒(cm/s)は、国際単位系(SI)における速度(速さ)の組立単位である。キロメートル毎時(km/h)は、SI以外の速度の測定単位であるが、SIと併用して用いる単位として受け入れられている。1海里毎時(1M/h)に相当するノット(kn)は、SI以外の速度の測定単位である。SIの組立単位のなかには、固有の名称と記号をもつ単位として22種類が定義されている。それらの代表例として、周波数のヘルツ(記号Hz、以下同)、力のニュートン(N)、圧力・応力のパスカル(Pa)、エネルギー・仕事・熱量のジュール(J)、仕事率・工率・放射束のワット(W)、電荷・電気量のクーロン(C)、電位差・電圧・起電力のボルト(V)、静電容量のファラド(F)、電気抵抗のオーム(Ω)などがあげられる。これらの名称の多くは、その分野で優れた業績をあげた科学者の名前に由来するものである。
[今井秀孝 2015年4月17日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
… 基本量でない物理量は組立量(誘導量)と呼ばれ,定義式や経験式など物理量の間に成り立つ関係式を用いて基本量,またはすでにある組立量から導き出される。組立量の単位を組立単位(誘導単位)といい,対応する物理量の間の関係式にならって基本単位,またはすでにある組立単位から形成される。国際単位系では,組立単位の形成に際して数係数を用いない。…
※「組立単位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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