狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)/小頭症(読み)きょうとうしょうずがいこつほうごうそうきゆごうしょうしょうとうしょう(英語表記)Craniosynostosis/Microcephaly

家庭医学館の解説

きょうとうしょうずがいこつほうごうそうきゆごうしょうしょうとうしょう【狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)/小頭症 Craniosynostosis/Microcephaly】

[どんな病気か]
 出生時の脳の大きさは約330gですが、2歳までにその容積は3倍になり、頭もそれにともない大きくなります。
 頭蓋骨(ずがいこつ)は、多数の骨がかみ合って脳を囲み、頭蓋の形状を保っています。
 この骨と骨のかみ合わせを縫合(頭蓋骨縫合(ずがいこつほうごう))といい、胎児(たいじ)のうちに縫合が早期に癒合したり、一部の縫合が存在しなかったり(欠損(けっそん))すると、脳の発達に呼応して頭蓋骨が健全に発達することができず、頭部に異常な変形がおこってきます。これを狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)といいます。
 脳は発育するのに、頭蓋が大きくならないので、脳や脳神経の発達と機能が障害され、耳の聞こえが悪くなったり、視力を損なうことがあります。
[症状]
 縫合の早期癒合や縫合の欠損部位によって、頭の前後径が異常に長い舟状頭(しゅうじょうとう)(56%の頻度)、頭の前後径が異常に短くて横幅が広く、額(ひたい)が扁平(へんぺい)になる短頭(たんとう)、額の中央が突出して三角形となる三角頭蓋(さんかくずがい)など、頭蓋がさまざまに変形します。
 そのほか、狭頭症に顔の骨の発達の障害をともなうクルーゾン病、これに手足の指の癒合をともなうアペルト症候群(しょうこうぐん)などがおこることもあります。頭部や顔面の変形、眼球突出(がんきゅうとっしゅつ)などだけではなく、頭蓋骨が正常に発達できないために脳の圧迫や頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)がおこり、脳の発育障害が誘発されることがあります。
[原因]
 狭頭症を合併する病気の一部は、遺伝子の異常でおこることが最近、明らかにされましたが、多くは、原因がまだ不明です。
[検査と診断]
 頭蓋骨のX線撮影やCTで、頭蓋骨縫合の早期癒合部位が明らかになります。
 変形はないが、頭が小さく、大泉門(だいせんもん)も触知できない場合は、脳の発育が障害されているために頭が小さい小頭症(しょうとうしょう)の可能性が大です。この場合は、頭蓋骨のX線撮影やCTで頭蓋骨縫合の早期癒合はまったくみられません。
[治療]
 頭蓋骨を切断して組み換え、頭蓋内腔(ずがいないくう)容積を拡大するとともに変形を矯正(きょうせい)し、脳の発育を促します。顔面骨の形成不全に対しても根治術が可能です。眼球突出があれば、角膜潰瘍(かくまくかいよう)がおこらないように注意し、呼吸困難や喘鳴(ぜんめい)があれば、扁桃(へんとう)、アデノイドの除去術や気道確保(きどうかくほ)に必要な口腔外科(こうくうげか)的治療が行なわれます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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