猟官制(読み)りょうかんせい(英語表記)spoils system

翻訳|spoils system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

猟官制
りょうかんせい
spoils system

公務員の任免を政党的情実によって決定する政治的慣習をいう。この言葉を生み出したのはアメリカであり,「官職は勝者に帰属する」という考え方に由来している。アメリカでは 19世紀の初めから政権が交代するたびに,多くの公務員が更迭されてきたが,特に 1828年のジャクソン大統領のもとで民衆に対する公職の開放が強調され,大規模な更迭政策が行われて猟官制が確立したといわれる。しかしその後,この慣行金権政治好餌となり,腐敗と非能率代名詞とみなされるにいたった。こうした批判にこたえて,議会は 83年にペンドルトン法を制定し,文官制度を業績主義または資格任用制に切替える端緒を開いた。その後,高級官僚を除いて人事院が一括して採用試験を行うようになった。しかし現在でも次官補 (局長以上) は大統領による政治的任命であることには変わりはない。

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知恵蔵の解説

猟官制

情実任用制」のページをご覧ください。

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大辞林 第三版の解説

りょうかんせい【猟官制】

公務員の任用を党派的情実により行う政治的慣行。スポイルズシステム。

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精選版 日本国語大辞典の解説

りょうかん‐せい レフクヮン‥【猟官制】

〘名〙 (spoils system の訳語) 公職の任免を政党が行なう慣行。民意を生かし公約を実現する手段、という民主的な性格をもつ反面、人事が情実に流れ、安定かつ能率的な行政が保証できないという欠陥がある。一九世紀前半のアメリカ、特にジャクソン大統領の人事はその典型例。

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世界大百科事典内の猟官制の言及

【情実任用】より

… 一方,アメリカ合衆国で支配していたのは公務員の任免を政党的情実によって決定する政治的慣習であった。これは猟官制spoils systemと呼ばれている。この言葉は〈獲物は勝者に帰属する〉というローマ時代のスローガンに由来している。…

※「猟官制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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