猪鼻村(読み)いのはなむら

日本歴史地名大系 「猪鼻村」の解説

猪鼻村
いのはなむら

[現在地名]石鳥谷町猪鼻

北上高地の麓にあって原野松林が多く、北を稗貫川が西流する。南は東中島ひがしなかじま村。天正一九年(一五九一)一一月五日の三ヶ尻加賀宛南部信直知行宛行状(宝翰類聚)に「貫之郡猪鼻村百五拾五石三斗六升八合」とある。慶長八年(一六〇三)一二月一二日の北九兵衛宛南部利直知行宛行状(花巻北文書)に「稗貫郡之内関口村同小淵村 滝田村」とあり、知行主と関係村名から考えると小淵おぶち村は猪鼻村をさすと思われる。元和四年(一六一八)一〇月二三日の北九兵衛宛南部利直知行宛行状(太田孝太郎氏所蔵文書)に「いの花村百七拾六石七斗八升六合」とある。正保国絵図に村名があり、高七〇石余。「雑書」寛文八年(一六六八)六月八日条では、北九兵衛に対し当村などで新田開発をするよう命じている。


猪鼻村
いのはなむら

[現在地名]土山町猪鼻

蟹河坂かにがさか村の東にあり、山に囲まれる。村の中ほどを東西に東海道が通じ、集落もほぼこれに沿って形成される。田村たむら川に沿い黒川くろかわ村への道が通じる。天正四年(一五七六)の「伊勢参宮海陸之記」に地名がみえる。同一九年四月の徳川家康知行目録写(大谷文書)に猪鼻村五三石余とあり、家康の在京賄料に充てられた。慶長五年(一六〇〇)幕府領。天明村高帳では陸奥棚倉藩領、旧高旧領取調帳では武蔵川越藩領。


猪鼻村
いのはなむら

[現在地名]柳津町猪倉野いくらの

周囲を山岳に囲まれ、銀山ぎんざん川が北流する。銀山川は上流の軽井沢かるいざわ銀山の汚水が流れたため、かつてはにごり川ともよばれた。柳津村から軽井沢銀山への道が通じ、北は黒滝くろたき村、南は塩野しおの村。村北東の道路わきに猪の鼻に似た巨岩があったための村名という。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録では高六七石余。寛文五年(一六六五)の「稲河領牛沢組郷村万改帳」では高七一石余、免二ツ八分七厘余、家数一一、竈一一、男三四・女三七、馬四で、小物成に綿役・糠藁・足前・山役・松葉サライがあり、ほかに役漆木八一二本余・役蝋一七貫六三匁がある。


猪鼻村
いのはなむら

[現在地名]瑞穂町字猪鼻

三之宮さんのみや村の西方の緩やかな峠を越え、さらに西に下った所にある。山地からなり、山々より流れる水を集めた川はやがて土師はぜ川に注ぎ、この川沿いにわずかに耕地人家が散在する。南は上大久保かみおおくぼ村・下大久保村、西は天田郡、北は戸津川とつがわ村。

旧高旧領取調帳によると一〇七石余が旗本柴田七九郎知行、五〇石余が同河野玄三郎知行。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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