王淵(読み)おうえん

百科事典マイペディア 「王淵」の意味・わかりやすい解説

王淵【おうえん】

中国,元代の画家浙江の人。字は若水趙孟【ふ】に学び水墨画花鳥画にすぐれた。山水画郭煕花鳥画は黄筌,人物画は唐代の画家にならい,南宋院体画形式主義を脱却したといわれる。日本では東山時代以降名が高いが,真跡と確認しうるものはない。

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改訂新版 世界大百科事典 「王淵」の意味・わかりやすい解説

王淵 (おうえん)
Wáng Yuān

中国,元代後期の画家。生没年不詳。字は若水,号は澹軒,浙江省銭塘の出身。若いころ,趙孟頫(ちようもうふ)の指導を受け,山水は郭煕,花鳥は黄筌,人物は唐人の作品などの古人を学んだ。天暦年間(1328-29),金陵の大竜翔寺の壁画制作にたずさわったこともある。作品では花鳥画がもっとも有名で,北宋風な複雑な構成と,明確な輪郭線で描かれた作例が数点現存する。《竹石集禽図》(上海博物館)は代表的作品である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「王淵」の意味・わかりやすい解説

王淵
おうえん
Wang Yuan

中国,元末の画家。杭州銭塘 (浙江省) の出身。字は若水,号は澹軒。趙孟 頫 (ちょうもうふ) の弟子。山水画法は郭煕,花鳥画法は黄筌,人物画法は唐の周 昉をそれぞれ師として修得した。なかでも花鳥画を得意とし,勾勒填彩 (こうろくてんさい) 画法による作風特色とした。伝称作品に『竹石集禽図』 (上海博物館) がある。

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