玖珠(読み)くす

精選版 日本国語大辞典 「玖珠」の意味・読み・例文・類語

くす【玖珠】

大分県の中西部の郡。筑後川支流玖珠川の上・中流域にある。古くは球珠、救珠とも記され、室町以後に玖珠となる。

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改訂新版 世界大百科事典 「玖珠」の意味・わかりやすい解説

玖珠[町] (くす)

大分県北西部,玖珠郡の町。人口1万7054(2010)。玖珠川中流域に位置し,玖珠盆地の西半を占める。盆地北部の森は江戸時代には久留島氏1万2000石の陣屋町として栄えたが,1929年の久大本線の開通後は帆足,塚脇に町の中心が移った。玖珠盆地には水田が多いが,町域の大半を占める山林原野では牧牛が盛んで,木材やシイタケの生産も多い。地場産業に,吉四六(きつちよむ)漬(キュウリ,ナス,ダイコン,キクラゲなどのもろみ漬)や,畜産物の加工などがあり,電気機械器具製造などの工業も盛んである。大分自動車道のインターチェンジがある。北部は名勝耶馬渓に属し,立羽田の景や鶴ヶ原の景などがあり,中部にはメーサの地形で有名な大岩扇山(天),南部には二重メーサとミヤマキリシマ群落の万年(はね)山があり,町内一円は耶馬日田英彦山(やばひたひこさん)国定公園に指定されている。旧藩主邸跡の三島公園に久留島武彦を記念する童話碑があり,毎年5月5日に日本童話祭が行われる。
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世界大百科事典(旧版)内の玖珠の言及

【大分[県]】より

…長崎三角帯にあたる北部は新旧の火山活動による溶岩類が累積して形成されたところで,次の三つに大別できる。(1)阿蘇火山の外輪山とその火砕流の堆積した大野川流域,(2)豊肥火山活動による広大な溶岩台地が形成され,のち浸食されて溶岩台地削剝地形(メーサ,ビュート)の展開する日田,玖珠から耶馬渓地方,(3)両者の間に展開する山陰系の火山である両子(ふたご)山,文珠山(ともに国東(くにさき)半島),鶴見岳,由布岳,九重山などのある地帯。このように大分県の地形は,山地や高原が広く,これらを四周から筑後川の上流,大野川,大分川,山国川などの河川が浸食して,複雑な地形区をなしている。…

※「玖珠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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