用語の解説

六訂版 家庭医学大全科 「用語の解説」の解説

用語の解説
(脳・神経・筋の病気)

髄膜(ずいまく)とは

 硬膜(こうまく)くも膜軟膜(なんまく)からなっています。硬膜は頭蓋骨内面に密着していますが、軟膜は脳溝に沿って深く入り込んでいます。くも膜と軟膜の間に髄液が満たされています。ヒトの脳脊髄液の総量は120~140mlですが、産生される脳脊髄液の量は1分間に0.35mlで、1日では約500mlとなり、1日3~4回入れ替わっていることになります。

髄膜刺激症状(ずいまくしげきしょうじょう)とは

 髄膜の炎症、くも膜下出血などによる髄膜に対する刺激の結果としてみられる症状で、自覚症状としては頭痛があり、他覚的には項部(こうぶ)(うなじ)硬直、ケルニッヒ徴候などがみられます。

血液脳関門(けつえきのうかんもん)とは

 髄膜および脈絡叢(みゃくらくそう)(脳室に位置し、血管に富む部分)は血液中の物質を選択的に通過させる性質があり、正常の時には血液中の細菌、化学物質、抗原抗体などは髄液中に移行しません。しかし、病的状態になるとこの関門の透過性が亢進し、移行します。

脳炎・脳症

 脳炎は脳内でのウイルスの直接増殖がみられ、脳症では脳内でのウイルス増殖を欠き、通常髄液での細胞増加はみられません。脳症では、高サイトカイン血症などの免疫反応が重要な役割を演じていると考えられています。

PCR法とは

 PCR(polymerase chain reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)とは、DNAあるいはRNA断片を大量に増幅する酵素学的化学反応で、感度がよく、各種ウイルス、細菌の検出にも使用されています。


用語の解説
(皮膚の病気)

*ブドウ球菌:球形ないし卵円形で、ブドウの房状に集まる細菌。細菌感染で起こる皮膚の病気では原因菌の大半はこの細菌です。

*連鎖球菌:球形ないし卵円形で、数珠(じゅず)状に配列している細菌。人や動物に感染して猩紅熱(しょうこうねつ)丹毒(たんどく)扁桃炎(へんとうえん)などを起こします。

*コアグラーゼ:血漿(けっしょう)を固まらせるはたらきのある蛋白質。黄色ブドウ球菌はこの蛋白質をつくれますが、表皮ブドウ球菌はつくりません。コアグラーゼをつくらないブドウ球菌は、ほかにもたくさん種類があります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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