た‐づくり【田作】
- 〘 名詞 〙 ( 「たつくり」とも )
- ① 田を作ること。また、その人。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
- [初出の実例]「下衆(げす)の為(す)る田作り・畠作り」(出典:今昔物語集(1120頃か)三〇)
- ② 小さな片口鰯(かたくちいわし)を素干(すぼ)しにした乾物を、炒(い)って醤油、砂糖、みりんを煮つめて甘辛くした汁をからめたもの。正月用の祝肴に用いる。ごまめ。《 季語・新年 》
- [初出の実例]「たつくりに、にしん・から鮭などを、朝夕のゑじきには如何」(出典:御伽草子・猫の草紙(江戸初))
- [その他の文献]〔俳諧・増山の井(1663)〕
た‐さく【田作】
- 〘 名詞 〙
- ① 田の作物、すなわち稲。
- [初出の実例]「ヒャウラウガ ツクレバ tasacu(タサク)ヲ カリヲサメテ ヨセ」(出典:天草本平家(1592)二)
- ② 田を作って農作物を栽培すること。農業を営むこと。
- [初出の実例]「もともと詩作と田作(タサク)はべつべつで」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉一)
でん‐さく【田作】
- 〘 名詞 〙 田畑を耕作すること。農作。
- [初出の実例]「田作の翁のありしが」(出典:大観本謡曲・御裳濯(1595頃))
- [その他の文献]〔戦国策‐燕策・文公〕
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「田作」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典(旧版)内の田作の言及
【ごまめ】より
…小型のカタクチイワシを素干しにしたもの。田作(たづくり)ともいい,女房詞では〈ことのはら〉といった。田作はほしか(干鰯)同様に田畑の肥料にしたための名で,これを豊作の予祝の意とし,あるいは,ごまめを健康の意の〈まめ〉と取ってめでたい食品とし,祝儀や正月の膳に用いた。…
※「田作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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