小型のカタクチイワシを素干しにしたもの。田作(たづくり)ともいい,女房詞では〈ことのはら〉といった。田作はほしか(干鰯)同様に田畑の肥料にしたための名で,これを豊作の予祝の意とし,あるいは,ごまめを健康の意の〈まめ〉と取ってめでたい食品とし,祝儀や正月の膳に用いた。〈ことのはら〉は小殿原(ことのばら)で,小さな殿方たちというしゃれた隠語である。銀紺色に輝き,形のくずれていないものが良品で,油焼けして褐色になったものはえぐ味があってまずい。おもにあめ煮にするが,まず,焦がさぬようによくいったのち,酒,しょうゆ,砂糖を合わせて煮つめたものの中へいれ,あめ状になった煮汁をからませる。少量のトウガラシ粉を加えてもよい。
執筆者:平野 雄一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
カタクチイワシの素干し。田作りともいう。小形のカタクチイワシを水洗(すいせん)後、莚(むしろ)の上にばらまき、1日数回転がしながら干し上げる。油が少なく、体表面が銀白色に輝き、頭や尾がとれず、形が崩れていないものが良品。油焼けしたり、油のにじみ出たものは不良品である。タンパク質(66.9%)およびカルシウム、リンなどのミネラルに富む。軽くあぶり、しょうゆ、みりんまたは砂糖を煮込んだ液と混ぜ、正月料理に使う。「まめ」には息災とか「たっしゃ」という意味があるところから、健康を願って正月料理にされたという。また、田作りの語は、田の肥料に使うと米が多くとれるので、豊年満作を祈って農民が正月に食べ出したとされる。
[金田尚志]
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