田平子(読み)タビラコ

デジタル大辞泉 「田平子」の意味・読み・例文・類語

たびらこ【田平子】

キク科越年草。本州以西の田やあぜに生える。高さ約10センチ。葉はロゼット状で羽状に裂ける。早春、黄色い頭状花を開く。若葉はゆでて食用とする。春の七草ホトケノザは本種をさす。かわらけな。こおにたびらこ。 新年》「―や洗ひあげおく雪の上/冬葉
キュウリグサのこと。
タナゴ別名

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精選版 日本国語大辞典 「田平子」の意味・読み・例文・類語

た‐びらこ【田平子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. キク科の二年草。本州以西各地の水田湿地で、冬から早春に普通に見られる。高さ約二〇センチメートル。全体に無毛。葉はロゼット状に根生、長さ六センチメートルぐらいの長楕円形で羽状に深裂し頂片が最も大きい。茎はロゼットの中央から数本ななめに立ち、まばらに分枝して先に舌状花だけから成る小さな黄色の頭花をつける。若葉をゆでて食べる。春の七草のホトケノザは本種とされる。漢名、稲槎菜。こおにたびらこ。かわらけな。《 季語・新年 》
    1. [初出の実例]「黄瓜菜(タビラコ)〈略〉本邦人曰七種の菜の内、仏の座是也」(出典:大和本草(1709)五)
  3. 植物「きゅうりぐさ(胡瓜草)」の誤称。
  4. 魚「たなご(鱮)」の異名。〔和漢三才図会(1712)〕

田平子の語誌

( 1 )春の七草の「仏座(ほとけのざ)」は、一般にはタビラコであるとされている。しかし、「壒嚢鈔‐一」「至宝抄」「伽・七草草紙」などには「仏の座」の名とともに「たびらこ」の名も挙げられている。「仏座」が現在のタビラコに当たるとするならば、この「たびらこ」が何に当たるかが問題となろう。
( 2 )「仏座」をタビラコに当てるのは「日本歳時記‐一」の「七種菜(ななくさな)といふは、歌に、せりなづな五形はこべら仏乃座すずなすずしろこれぞ七くさ。〈〈略〉仏の座とは俗にいへるかはらけなといふものなり〉」という記述と、挙例「大和本草‐五」とに見えるが、随筆「古今沿革考」には「七種〈略〉車前車〈ほとけの座 おほばこ〉」としてオオバコの図が描かれている。
( 3 )「年中故事要言」に「七種菜〈略〉たびらこは、はこべなり」としてハコベに当てるが、前記の「壒嚢鈔」には「田びらこ」以外に「蘩蔞」が挙げてあり、一概に断定はできない。
( 4 )の挙例「大和本草‐五」の「黄瓜菜」は「ニガナ」の漢名で、「大和本草批正」では「黄瓜菜 にがなと訓ずべし〈略〉たびらこは鶏膓草なり」としている。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「田平子」の解説

田平子 (タビラコ)

植物。ムラサキ科の二年草,薬用植物。キュウリグサの別称

田平子 (タビラコ)

植物。キク科の越年草。コオニタビラコの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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