甲掛け(読み)コウカケ

デジタル大辞泉 「甲掛け」の意味・読み・例文・類語

こう‐かけ〔カフ‐〕【甲掛け/甲懸け】

《「こうがけ」とも》手足の甲に掛けて日光ほこりを避ける布。特に、旅装具として用いた。

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精選版 日本国語大辞典 「甲掛け」の意味・読み・例文・類語

こう‐かけカフ‥【甲掛・甲懸】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こうがけ」とも )
  2. 広く、手足の甲にかけて、日光やちり、ほこりなどをさえぎる布片。特に手っ甲に対して、足の甲にまとう布片で、草鞋(わらじ)履きの時に用いるもの。
    1. <a href=甲掛〈守貞漫稿〉" />
      甲掛守貞漫稿
    2. [初出の実例]「白の鼠色になった甲掛(カウカケ)脚半、草鞋(わらじ)がけにて」(出典滑稽本・旧観帖(1805‐09)初)
  3. 甲冑(かっちゅう)小具足一種。足の甲を保護するもの。板金を鎖で繋いだものと、鎖で作ったものがある。
    1. 甲掛<b>②</b>
      甲掛
    2. [初出の実例]「故に古へより甲掛金又は鎖甲掛など云ふものありて足甲を衛(まも)るの具とす」(出典:甲冑著用弁(1808))

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改訂新版 世界大百科事典 「甲掛け」の意味・わかりやすい解説

甲掛け (こうがけ)

手の甲にかける手甲に対して,足の甲にかける布製品で,足袋の底をとった形のもの。古くは旅や労働の際,足の甲を保護し,あるいは防寒のために用いた。近年まで富山長野秋田など寒冷地,あるいは農山村地帯の農民に用いられていた。秋田県では1955年ころまで,〈三角わらじかけ〉とよぶ甲掛けがあり,三角の先についている糸紐を足の第2指にかけ,上部につけた紐で足首を2巻きして結んだ。また〈あくとかけ〉(〈こはばき〉とも)とよぶかかとを保護する布製品は,足の甲も十分におおうようになっており,一種の甲掛けといえる。材料は紺木綿,黒木綿が多く,裏つきで,布の補強と甲の保温のため山形に刺子をほどこしたものが多い。
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