デジタル大辞泉
「町版」の意味・読み・例文・類語
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まち‐はん【町版】
- 〘 名詞 〙 民間の本屋で刊行した本。ちょうはん。
- [初出の実例]「いま世に流布する町版(マチハン)縁起は、ただ世諺にいひつたふることのみをとりて」(出典:善光寺如来絵詞伝(1847)述意)
ちょう‐はんチャウ‥【町版】
- 〘 名詞 〙 民間の書店で刊行する版。また、その書籍。坊刻(ぼうこく)。まちはん。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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町版
まちばん
民間で営利を目的とした書店刊行の書籍。勅版、官版、藩版、寺院版に対する。広い意味で私版を含めていう場合もある。日本の書物で本屋の名のあるものは、1609年(慶長14)京都の本屋新七刊行の『古文真宝後集』が古く、1608年『五家正宗讃(ごけしょうしゅうさん)』を刊行した中村長兵衛尉、1614年『遍照発揮性霊集』を刊行した寺町の市右衛門も書肆(しょし)と思われ、また仮名抄などに「本能寺前町開板」の刊記のあるものがある。漢語では坊刻版、坊刻本、坊板、坊本などの称があり、坊は商店をいう。中国では宋(そう)代に民間の本屋が現れ、臨安、福建に多くあった。南宋の臨安のものを書棚本、棚本といい(棚は小屋がけの意)、宋末以後明(みん)代までの建安(福県省建寧府建安県麻沙鎮)のものを麻沙(まさ)本といい、麻沙本は校訂が一般に粗雑といわれている。
[柴田光彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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町版
江戸時代の出版を営業とする書店(書肆)の出版物.日本では17世紀前半頃から営業出版が行われ始めるが,本格的になるのは同世紀半ば頃からである.町版の成立には,比較的製作費が安価な木活字による印刷が16世紀末から17世紀初めにかけて行われ始めたことが関係している.しかし,木活字による印刷では,多くの部数を印刷したり,必要に応じて刷り増ししたりすることができなかったので,本格的な営業出版が行われるようになると,もっぱら整版印刷(木版印刷)によることになった.
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
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