病院の神経内科とは?

六訂版 家庭医学大全科 「病院の神経内科とは?」の解説

病院の神経内科とは?
(脳・神経・筋の病気)

 とくに最近、大きな病院では神経内科あるいは脳神経内科という言葉を見かけます。病院の内科には心臓の病気を診る循環器(内)科、肺の病気を診る呼吸器(内)科、胃や腸、肝臓の専門である消化器内科、それに腎臓内科、血液内科、内分泌内科、アレルギー科、感染(症)科などがありますが、そのほかに脳や末梢神経、筋肉の病気を診る(脳)神経内科のある病院が増えてきました。

 神経内科には意識障害、けいれん頭痛、しびれ、めまいをはじめ、手足が動かなくなった、ろれつが回らなくなったなどと訴える人や、時には眼が片方見えなくなったり物が二重に見えるが、眼科に行ったら眼そのものは悪くないといわれた人などが受診します。

 神経内科医が診察する病気としては、脳卒中(のうそっちゅう)アルツハイマー病などの認知症、脳炎神経難病などがありますが、このような脳神経系の病気を扱う科には、ほかに脳(神経)外科や精神科もあります。脳や神経の病気で手術でよくなる可能性のある場合は、脳神経外科医が診るべきです。

 ただし、脳神経系の病気で手術でよくなる病気はそれほど多くありません。しかし今の日本では地域によってはなぜか脳外科医が多く、神経内科医が少ない傾向にあるので、地方では神経内科医が治療すべき病気まで脳(神経)外科の医師がやむをえず診ている場合もあります。

 一方、精神科は統合失調症(とうごうしっちょうしょう)うつ病ノイローゼなどを主に診る科です。人間社会がいろいろ複雑化している最近では、精神科の患者さんもかなり増えているようです。

 神経内科は内科のひとつです。その証拠にいろいろな内科疾患、たとえば肺がんやその他の身体部位の悪性腫瘍(がん)、膠原病(こうげんびょう)、内分泌の病気などが、頭痛、しびれ、ふらつき、もの忘れなど脳・神経・筋の病気と思わせる症状で始まったりします。

 また脳卒中パーキンソン病髄膜炎(ずいまくえん)などのように、脳・神経・筋の病気には肺炎、心臓病、高血圧、糖尿病、脂質異常症など他の内科の病気を併発することが多いので、神経内科医は他の内科的知識を十分にもっていることが義務づけられています。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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