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痴人の愛 ちじんのあい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

痴人の愛
ちじんのあい

谷崎潤一郎長編小説。 1924~25年発表。大正期のモダニズムに彩られたマゾヒズム文学の代表作で,不羈奔放なヒロインの名前からナオミズムという言葉が流行したほどである。

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デジタル大辞泉の解説

ちじんのあい【痴人の愛】

谷崎潤一郎の長編小説。大正13年(1924)3月より大阪朝日新聞、同年11月から翌年7月にかけて「女性」誌に連載。美少女ナオミに惹(ひ)かれ、身を持ち崩していく男の姿を描く。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちじんのあい【痴人の愛】

谷崎潤一郎の小説。1924年(大正13)から翌25年にかけて,前半が《大阪朝日新聞》,後半が雑誌《女性》に連載された。同年刊。大正モダニズムの社会風俗と,作者独特のマゾヒズムの性心理とをたくみに織りなした作品である。一編の筋は,河合譲治という主人公が,町で見かけた西洋女性に似た体つきナオミに入れあげ,自分の思いどおりの女にしようとして〈教育〉するが,かえって最後にはその悪女としての魅力にとらえられ,ナオミの不貞にも頭があがらなくなるという結末にいたる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

痴人の愛
ちじんのあい

谷崎潤一郎(じゅんいちろう)の長編小説。1924年(大正13)3月から6月まで『大阪朝日新聞』に、同年11月から翌年7月まで『女性』に連載。25年、改造社刊。佐藤春夫によると、「大正末期の眼(め)あたらしい一種の男女及びその男女関係が一巻の風俗画として精密に出来上つた」問題作。主人公の「私」(河合譲治)が、浅草のカフェーで給仕女をしていたナオミという西洋的なタイプの少女を引き取り、自分の好みの理想の女に仕立てあげ結婚する。が、その行きすぎた西洋趣味の結果が逆にナオミの娼婦(しょうふ)性を目覚めさせ、一度は彼女を放逐したものの、彼女の「天稟(てんぴん)の淫婦(いんぷ)」としての肉体の魅力に抗しきれず、奴隷のごとくかしずくに至る。自由奔放な女主人公ナオミは、モダン・ガールの典型として評判になり、ナオミズムなる新語が生まれた。[大久保典夫]
『『痴人の愛』(角川文庫・新潮文庫)』

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