白話運動(読み)はくわうんどう

精選版 日本国語大辞典 「白話運動」の意味・読み・例文・類語

はくわ‐うんどう【白話運動】

  1. 〘 名詞 〙 中国、民国初年に起こった文体の改革運動。従来文言文語)が重んじられ、白話口語)が蔑視されていたことに反対して、白話を鼓吹したもの。一九一七年、胡適によって提唱され、一九一九年の五・四運動の広がりとも呼応して、言語上の問題にとどまらず、旧来倫理思想を打破しようとする文化運動に発展した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「白話運動」の解説

白話運動
はくわうんどう

1917年から中国で起こった,従来の文語文をやめ,日常の口語(白話)で文章を書くことを主張する文学革命運動
白話文学運動ともいい,アメリカ留学中の胡適 (こせき) が口火を切った。彼は北京大学教授陳独秀の主宰する雑誌「新青年」に「文学改良芻議 (すうぎ) 」を寄稿,続いて陳独秀が「文学革命論」を発表。魯迅 (ろじん) の創作活動(『狂人日記』『阿Q正伝』)がさらに運動を盛り上げた。1919年に起こった五・四運動の波にのって中国全土をゆりうごかし,文語はしだいに衰退し,これに代わって白話が文学のみならず,いっさいの言語表記を独占するに至った。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「白話運動」の解説

白話運動(はくわうんどう)

民国時代初期に起こった文学運動。白話とは文語に対する口語のことで,従来社会的に軽視され,白話を用いた文学は邪道とされていた。しかし1917年胡適(こせき)『新青年』誌上に白話文学をもって文語の文学に代わるべきであると提唱し,これが広く一般から支持され,白話文学流行の端を開いた。これを文学革命ともいう。

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