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文学革命 ブンガクカクメイ

5件 の用語解説(文学革命の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

ぶんがく‐かくめい【文学革命】

辛亥(しんがい)革命後の中国で、旧来の文語文(古文)を捨てて口語文(白話)を使用することを提唱した文学上の運動。儒教道徳への批判を根底に含み、1917年に発表された胡適(こてき)の「文学改良芻議(すうぎ)」、陳独秀の「文学革命論」によって推進され、1918年には口語文で書かれた魯迅(ろじん)の小説「狂人日記」によってその成果が示された。→白話文学

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百科事典マイペディアの解説

文学革命【ぶんがくかくめい】

中国で1917年―1918年に展開された白話文学推進運動。1917年米国留学中の胡適が,雑誌《新青年》に投書した〈文学改良芻議(すうぎ)〉が発端となり,陳独秀をはじめ多くの知識人が参加した。
→関連項目国語運動蔡元培周作人林【じょ】

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんがくかくめい【文学革命 Wén xué gé mìng】

中国で1917年,アメリカ留学中の胡適が《新青年》誌に寄せた論文〈文学改良芻議〉に端を発した白話(口語)文学運動。胡適論文は,文語表現が古人の模倣に終始し,対句や典故,常套語を濫用し形式主義に陥っているとして批判,いかなる時代もその時代独自の文学を創造すべきであり,俗字俗語をもまじえた言文一致白話文学こそ今日の文学でなければならないと提唱し,その主張を8項目にまとめたものである。中国文学の正統性を唐・宋にはじまる白話俗文学の流れにこそ認めるべきとも断じたこの論文は,〈改良〉あるいは〈芻議〉(未定稿)と標題しているとはいえ,まさに画期的・革命的なものである。

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大辞林 第三版の解説

ぶんがくかくめい【文学革命】

1917年に始まる中国の文学革新運動。旧来の文語文を捨てて生きた白話(口語)による文学を創造する白話運動を胡適こてきが提唱、陳独秀らが推進し、魯迅が小説「狂人日記」で実践した。この言語改革は文化・社会の変革を求めて「新文化運動」に発展した。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

文学革命
ぶんがくかくめい

1910年代後半から20年代初頭にかけて中国で展開された文化、思想の革新運動。中心になったのは1915年上海(シャンハイ)で創刊された雑誌『新青年』(当初は『青年雑誌』)で、17年陳独秀(ちんどくしゅう)が北京(ペキン)大学長蔡元培(さいげんばい)に招かれて、その文科学長になったのに伴って編集も北京に移った。編集・執筆にあたったのは、陳のほか胡適(こてき)、李大(りたいしょう)、劉半農(りゅうはんのう)、銭玄同(せんげんどう)、魯迅(ろじん)、周作人(しゅうさくじん)らで、多くが北京大学教授であったため、北京大学がその中心の観を呈した。
 この運動は理念としてサイエンスとデモクラシーを掲げ、具体的には口語(白話)による文学の革新と儒教批判を柱とする。前者は胡適「文学改良芻議(すうぎ)」(1917.1)およびそれを受けた陳独秀「文学革命論」(1917.2)などに始まり、胡適の口語詩の試作などが行われたが、『狂人日記』(1918.5)以下魯迅の諸作品が発表されて、実質が与えられた。「文」は旧中国における文化的価値体系の中枢をなすものであったから、その内容とともに、文体の改革自体も思想的・社会的意味をもった。儒教およびそれに支えられた家族制度には、当時儒教国教化の動きがあったこともあって、呉虞(ごぐ)「家族制度は専制主義の根拠たるの論」(1917.2)をはじめ、多くの論が書かれた。これらに対して、林(りんじょ)や雑誌『学衡(がくこう)』など保守派からの非難も強かったが、青年・学生層への影響は強く、五・四運動(1919)はそのなかから生まれた。また文学研究会(1921)、創造社(1922)の成立などによって、近代文学の基礎ができあがった。
 一方ロシア革命の影響もあって、李大、陳独秀らを中心にマルクス主義への傾斜が強まり、21年中国共産党が結成されたが、それに前後して胡適らは古典の再評価を通じて封建勢力との妥協の傾向を強めるなど、20年代なかばにかけては、知識人の分化・再編成の時期を迎えた。が、とにかく文学革命は、辛亥(しんがい)革命(1911)後最初の大規模な思想・文化運動であり、その後も事あるごとに振り返られる中国現代史、現代思想・文学史の原点となっている。[丸山 昇]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の文学革命の言及

【五・四運動】より

…その変革の主張は社会生活のもろもろの面にかかわり,家族の否定から女性の解放まで含んでいたが,その要は近代的自我をそなえた自覚的個人の確立にあった(孔子批判)。また新文化運動の重要な一つの内容は文学革命,すなわち文語文ではなく口語文(白話)による文学の確立だった。現実に即した明解な文学を提唱した胡適の〈文学改良芻議〉が火をつけ,魯迅の《狂人日記》が実作第1号として江湖の注目をあびた。…

【中国文学】より

…だから,この時期は古典主義の時代とよばれるべきであろう。【小川 環樹】
【文学革命から人民文学へ(20世紀)】
 中国の近代文学は,1910年代末の文学革命によって幕を開けた。そのきっかけを作ったのは,胡適が17年1月に雑誌《新青年》に発表した〈文学改良芻議〉で,形骸化した文語文にかわって俗語・俗字を使用し,〈今日の文学〉をつくろうというその主張は,大きな衝撃を与えた。…

※「文学革命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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