ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「百武兼行」の意味・わかりやすい解説
百武兼行
ひゃくたけかねゆき
[没]1884.12.21. 佐賀
外交官,洋画家。外交官として明治4 (1871) 年岩倉具視大使に随行して渡欧,さらに 1874年旧藩主鍋島直大のイギリス留学に従ってロンドンにおもむき,公務のかたわら油絵を学ぶ。 78年頃パリへ移り,L.ボンナについて油彩画技法を修得。 79年一時帰国,80~82年在イタリア日本公使館一等書記官として再びローマへ赴任し,画家 C.マッカーリに師事した。帰国後は農商務省商工局次長をつとめ,最後まで官吏で画壇との接触もなかったが,ヨーロッパで直接アカデミックな技法を学んだだけに,明治前期の洋画のなかでも作品の質が高い。主要作品『マンドリンを持つ少女』 (79,佐賀県立博物館) ,『イタリア風俗』 (81~82,東京芸術大学) 。
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