皆生(読み)かいけ

改訂新版 世界大百科事典 「皆生」の意味・わかりやすい解説

皆生[温泉] (かいけ)

鳥取県西部の米子市の北部に位置し,日本海に臨む温泉。明治年間に海中に湯が湧くことが発見され,明治末には海岸浅瀬自噴泉の発見があり,砂浜で村営温泉場が開設された。1921年からは本格的な温泉開発や土地分譲が進み,25-38年には米子駅と皆生を結ぶ電車が走るようになって,急激に観光地化と保養地化が進んだ。しかし,昭和に入ると,中国山地の鉄穴(かんな)流しが衰退し,砂防,ダム工事なども進捗(しんちよく)して日野川の流砂の減少を招き,それまで堆積していた砂浜は海岸浸食が激しくなり,昭和10年代には旅館や泉源の一部が波によって流失して深刻な事態となった。20年代には本格的な護岸工事が始まり,海岸防潮堤,海岸遊歩道路そして離岸堤の建設などが進められた。一方,温泉街も近代化して豪華なホテルも続々と建設され,現在,山陰最大の温泉街を形成している。皆生温泉は,弓ヶ浜(夜見ヶ浜)の雄大な砂浜と連続する松林美観や,伯耆大山借景など自然環境に恵まれ,米子駅や米子市中心街に近いという好条件をもつ。また,豊富な湯量,高い泉温(89℃),無色透明な食塩泉,温泉の集中管理などの条件がそろって,すぐれた温泉地を形成している。
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百科事典マイペディア 「皆生」の意味・わかりやすい解説

皆生[温泉]【かいけ】

鳥取県米子市,弓ヶ浜の美保湾岸にわく。含塩化土類食塩泉,85℃。砂丘に松林が続き,隠岐や大山(だいせん)を遠望。米子駅からバス
→関連項目米子[市]

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