盛景寺(読み)じようけいじ

日本歴史地名大系 「盛景寺」の解説

盛景寺
じようけいじ

[現在地名]武生市春日野町 野中

春日野かすがのの東部にある。春日山と号し、曹洞宗本尊釈迦如来。土山つちやま(現武生市)願成がんじよう寺末で、開山の願成寺三世昌庵(嘉吉元年没)は、朝倉氏一族の加州太守盛景で、朝倉氏の帰依によって創建、荘田一千石を寄せられたと伝える(日本洞上聯灯録)。開山以来、歴代法嗣は布教に尽力し、末寺は春日野西応さいおう(廃寺)白崎金剛しらさきこんごう寺、現福井県南条町の奥野々おくのの曹渓そうけい寺、同県織田町の織田禅興おたぜんこう寺・平等臥牛たいらがぎゆう院・細野興泉ほそのこうせん寺、同県越廼村の居倉禅海いくらぜんかい寺、同県敦賀市の宗昌そうしよう寺、同県美浜町の徳賞とくしよう寺・瑞林ずいりん寺、同県三方町の臥竜がりゆう院・宗伝そうでん寺の一二ヵ寺を数え、その孫末寺を合せると五〇ヵ寺を超えた。


盛景寺
じようけいじ

[現在地名]中山町出淵

出淵の門前いずぶちのもんぜんにある。積翠山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊は十一面観世音菩薩。弘長二年(一二六二)の創建、開山は法燈円明国師と伝える。

天平年中(七二九―七四九)行基が留錫し、夜中に淵から光がさすので調べると、淵の中に柏の大木が倒れていた。行基はその木で十一面観世音の尊像を彫刻して堂宇を建立したのが本尊の由来とされ、地名を出淵として玉泉山柏林寺と称したという。

天文二〇年(一五五一)伊福いふく(井福とも)城主仙波出雲守盛景が伽藍を建立し、領内五〇貫の地を喜捨し寺号を盛景寺と改めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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