相撲年寄(としより)の住居であるとともに,門下力氏の養成所であり,合宿所でもあり,彼らのすべての生活拠点である。元禄(1688-1740)のころ,各地に相撲集団があって,大阪,京都,江戸,その他の地方都市で興業するとき,集団の監督者である頭取(とうどり)が力士をひきいて集まってきた。そして興行中に頭取たちが談合する一室を相撲部屋とよんだ。興業が終わると頭取たちはそれぞれ帰国し,大名の庇護(ひご)をうけて力士を養成していたが,そのけいこ場をもつ住居も,また相撲部屋とよぶようになった。初めは〈相撲浪人〉によって,部屋経営が行われていたが,しだいに力士によって経営され,力士名を部屋の名称にしたのが,宝暦年間(1751-64)である。このころになって,相撲集団は全国的に制度組織が整備され,初め大阪,京都が中心となり,やや遅れて江戸にも30余の部屋を数え,全国的の力士が集まる中央に発展した。そして江戸では頭取を年寄とよんだ。
その後,多くの変遷はあったが,105人の年寄がその年寄名で部屋がもてることになっている。しかし実際に門下力士を養成し部屋を経営しているのは1984年1月現在37人でしかない。つまり彼らは系統的にそれぞれ大部屋ないし中部屋に所属し,それぞれの分担に任じているわけである。4~5人の小部屋から40~50人もの大部屋に至るまで,ほとんど男ばかりの世帯で,全生活が男手で運営されている。部屋により多少の相違あるが,厳格な規律によって修行の場としての内容充実がはかられている点では一致している。現在は,各部屋がそれぞれ素質のある人材を発掘し,日本相撲協会の〈新弟子検査〉に合格したものを,門下力士としてかかえ,育成するのが普通である。
→相撲
執筆者:池田 雅雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(根岸敦生 朝日新聞記者 / 2007年)
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