相槌(読み)あいづち

精選版 日本国語大辞典 「相槌」の意味・読み・例文・類語

あい‐づち あひ‥【相槌】

〘名〙
鍛冶(かじ)などで、師の打つ間に、弟子が槌を入れること。また、互いに槌を打ち合わすこと。
塵袋(1264‐88頃)八「鍛冶があひつちと云ふは、二人むかひてうつゆへ歟」
建築棟木などを組む際に使う大きな槌。
兼見卿記‐天正一一年(1583)一〇月二二日「玄以普請 妙見寺、為見廻罷向。アイ槌 十、〈略〉持参
③ 問いかけに答えること。相手の話に巧みに調子を合わせること。
※俳諧・西鶴五百韻(1679)何秤「月すむ棟に棟のあい槌〈西友〉 蔦葛噺しの伽に懸たり〈西吟〉」
われから(1896)〈樋口一葉〉一一「遠慮なき高声、福も相槌(アヒヅチ)例の調子に」

あい‐の‐つち あひ‥【相槌】

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デジタル大辞泉 「相槌」の意味・読み・例文・類語

あい‐づち〔あひ‐〕【相×槌/相×鎚】

鍛冶かじで、二人の職人が交互に槌を打ち合わすこと。あいのつち。
相手の話にうなずいて巧みに調子を合わせること。
「聞く人なげに遠慮なき高声、福も―例の調子に」〈一葉・われから〉
[類語]返事生返事二つ返事代返

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