矢ノ川峠(読み)やのことうげ

日本歴史地名大系 「矢ノ川峠」の解説

矢ノ川峠
やのことうげ

標高八〇五・五メートルで尾鷲市と熊野市との市境。矢の浜やのはまから矢ノ川沿いにさかのぼり、矢ノ川峠を経て高瀬こうぜ谷・大又おおまた川沿いに大俣おおまた村・寺谷てらだに(現熊野市)方面に達する道がいつ頃開発されたか不詳である。尾鷲見聞闕疑集(尾鷲市立図書館蔵)に「享保十一年午六月従江戸薬草役人村上佐平次殿上下三人、外に松井半兵衛と申仁上下弐人、佐平次に添来り、勢州宇治山より大杉谷へ移り、相賀組河内村へ出、船津村泊り粉本より便之山見分、大台山へ登り、馬瀬山より尾鷲へ出、矢ノ河越嘉田村へ出、順々南筋へ通」とあり、享保年間(一七一六―三六)には矢ノ川道がすでに開発されていたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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