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楊枝 ようじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

楊枝
ようじ

楊子とも書く。歯を清潔にする用具。インド,中国に始り,日本でも平安時代から,ヤナギの枝を細長く削り,先をとがらせたものを用いた。昔の枝は小は3寸 (約 9cm) ,大は1尺2寸 (約 36cm) で,いったいに長く,小さいものを小楊枝爪楊枝と呼び,歯磨き用と区別した。材にはヤナギのほかクロモジ,モモ,スギ,タケなどを用いたが,特に爪楊枝にはクロモジの皮を一部残したものが,芳香を好まれ,クロモジが楊枝の別称になった。明治以後は外来の歯ブラシが普及したが,これも楊枝と呼ばれた。

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デジタル大辞泉の解説

よう‐じ〔ヤウ‐〕【×楊枝/×楊子】

《もと楊柳の材を用いたところから》
歯の間にはさまったものを取り除いたり、食物を刺したりするのに用いる、先をとがらせた細く短い木の棒。つま楊枝。小楊枝。
歯のあかをとり、きれいにするための道具。楊柳の材の先端をたたいて総(ふさ)状にしたもの。ふさ楊枝。
楊(やなぎ)の枝。昔、病気の治癒(ちゆ)を願ったり、人に害を与えたりするための呪(まじな)いに用いた。

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

ようじ【楊枝/楊子】

歯の間に詰まったものを取り除いたり、食物を刺して取ったりするのに用いる、10cm未満程度の細い棒。先の尖った爪(つま)楊枝と端を打ち砕いて房のようにした房楊枝があるが、一般には爪楊枝をいうことが多い。材質には柳、白樺、黒文字象牙プラスチックなどがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

楊枝
ようじ

歯を掃除する用具。現在では歯間用の妻(つま)(爪)楊枝をさす場合がほとんどであるが、本来は歯ブラシのように使用する種類も含む。語源は、中国において楊柳(ようりゅう)でつくられたことからきている。この漢語が現物とともに日本に渡来し、そのまま「ようじ」と音読され普及したようである。このことは、平安時代中期の分類体辞典『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にすでに楊枝の名称がみえるが、その和名は掲げられていないことからもわかる。10世紀なかばに藤原師輔(もろすけ)が記した『九条殿遺誡(くじょうどのいかい)』には、子孫に与える訓戒として、毎朝楊枝を使えといっているので、少なくとも貴族社会には普及していた。大きさについて室町時代中期の辞書『嚢鈔(あいのうしょう)』は、「三寸(約9センチメートル)ヲ最小トシ、一尺二寸(約36センチメートル)ヲ最大トス」と記し、現在の妻楊枝よりもかなり長いものであった。
 江戸時代には庶民の間に普及し、歯みがき用に先端を打ち砕いた総(ふさ)楊枝や、妻楊枝の原型である小(こ)楊枝など、さまざまな種類がつくられた。材料はクロモジの木がおもに使われ、京都では粟田口(あわたぐち)、江戸では浅草が製造・販売所としてとくに名が高かった。現在では歯ブラシの普及で姿を消し、わずかに妻楊枝のみが使われている。[森谷尅久・伊東宗裕]

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