デジタル大辞泉 「石の上にも三年」の意味・読み・例文・類語 石いしの上うえにも三年さんねん 冷たい石の上でも3年も座りつづけていれば暖まってくる。がまん強く辛抱すれば必ず成功することのたとえ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「石の上にも三年」の意味・読み・例文・類語 いし【石】 の 上(うえ)にも三年(さんねん) ( 冷たい石の上でも三年すわり続ければ暖まるの意から ) たとえつらくてもしんぼう強くがんばれば、やがて報われるということ。〔俳諧・毛吹草(1638)〕[初出の実例]「商人(あきんど)、職人によらず、住なれたる所を替(かゆ)る事なかれ。石の上にも三年と俗言(ぞくご)に伝へし」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)四) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ことわざを知る辞典 「石の上にも三年」の解説 石の上にも三年 冷たい石の上でも、三年もすわり続けていれば石が温まってくる。最初は辛くとも、三年も辛抱すれば報われることのたとえ。 [使用例] 「辛かったですね。家とか土地とか、全部を処分すれば、ともかく三年間はやっていける。三年たってダメなら、諦めよう。石の上にも三年というから、三年間は頑張ろう、とね。親父も、母も、むろんわたしも、歯をくいしばる思いでやりました」経営が黒字に転化したのは二年目だった[田原総一朗*“異色”創業者の発想|1980] [使用例] 今年も駄目だ。〈略〉これを限り、米はやめよう、と三郎は手の中の空の穂を捨てて言った。 やめますか。 七回目だからな。最初は明治二十一年だった。石の上にも三年という。七たび試みればもういいだろう。[池澤夏樹*静かな大地|2003] [解説] 江戸初期には「石の上にも三年いれば温まる」といいました。この「いる」はすわるという意味です。一七世紀末頃から後半を略した現在の形がしだいに定着して、今日では、元の形はすっかり忘れられてしまいました。その結果、温まるイメージが浮かびにくくなり、長くがまんしていれば慣れると解釈する人も少なくありません。 用法として多いのは、就職や開業の際の心構えとして、ともかく三年は辛抱しようとするものです。また、夫と別れて実家に帰りたいという新妻に対して、仲人がなだめるときにもよく引かれていました。「三」は、一般に区切りとして意識される象徴的な数で、この場合も、「三年」は厳密な年数というより、新しい環境や仕事に慣れ、ゆとりの出てくる時期を示すものでしょう。 出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報