石田名香雄(読み)イシダナカオ

デジタル大辞泉 「石田名香雄」の意味・読み・例文・類語

いしだ‐なかお〔‐なかを〕【石田名香雄】

[1923~2009]医学者。新潟の生まれ。ウイルス細菌研究業績を残し、昭和28年(1953)にはセンダイウイルス発見制癌剤ネオカルチノスタチン(NCS)の開発でも知られる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石田名香雄」の意味・わかりやすい解説

石田名香雄
いしだなかお

[生]1923.3.6. 新潟,上越
[没]2009.12.4. 宮城,仙台
細菌学者,元東北大学総長。1946年東北大学医学部を卒業,1951年助教授。1953年にインフルエンザウイルス抗原性が異なる赤血球凝縮能をもつ新種ウイルスセンダイウイルス」を発見した。1954年にアメリカ合衆国のミシガン大学ウイルス研究所に留学。1960年東北大学医学部教授に就任した。その後もセンダイウイルスの構造研究を続け,センダイウイルスが細胞に感染し,増殖する仕組みを世界にさきがけて解明した。また,その仕組みが多くのウイルスでも共通に見られることがわかり,B型肝炎の本態解明の契機となり,ワクチン開発につながるなど,21世紀の国民病といわれた B型肝炎の激減に貢献,ウイルス学分野の第一人者として国内外から高い評価を受けた。1975年東北大学医学部長,1983~89年総長を務めた。1980年に野口英世記念医学賞,1987年には日本学士院賞,1996年勲一等瑞宝章を受けた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「石田名香雄」の解説

石田名香雄 いしだ-なかお

1923-2009 昭和後期-平成時代のウイルス学者。
大正12年3月6日生まれ。昭和35年東北大教授となり,58年学長。のちインテリジェント・コスモス研究機構社長。センダイウイルスの発見,抗がん剤ネオカルチノスタチンの開発などで知られる。62年学士院賞。日本細菌学会会長,日本ウイルス学会会長などをつとめた。平成21年12月4日死去。86歳。新潟県出身。東北帝大卒。共著に「抗ウイルス物質の世界」など。

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世界大百科事典(旧版)内の石田名香雄の言及

【抗生物質】より

…日本では,世界にさきがけて実験動物腫瘍を用いて制癌抗生物質の探索を始め,この分野では世界の水準の先端にあるといえる。日本で発見され臨床的に用いられているものに,秦藤樹のカルチノフィリン(1954),マイトマイシン(1956),梅沢浜夫のブレオマイシン(1966),ペプロマイシン(1977),アクラシノマイシンA(商品名アクラルビシン,1977),立岡末雄のクロモマイシンA3(1955),石田名香雄のネオカルチノスタチン(1965)があり,とくにブレオマイシン,マイトマイシンは外国でもよく用いられている。外国で発見されたもので治療に用いられているものに,アクチノマイシンD,ダウノルビシン(商品名ダウノマイシン),ドキソルビシン(商品名アドリアシン)がある。…

※「石田名香雄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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