石鼓文(読み)セッコブン(英語表記)Shí gǔ wén

デジタル大辞泉 「石鼓文」の意味・読み・例文・類語

せっこ‐ぶん〔セキコ‐〕【石鼓文】

中国最古刻石戦国時代のものとされ、太鼓形の10個の石に秦篆しんてん近い文字が刻まれている。北京故宮博物院蔵。

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精選版 日本国語大辞典 「石鼓文」の意味・読み・例文・類語

せっこ‐ぶんセキコ‥【石鼓文】

  1. せっこ(石鼓)
    1. [初出の実例]「夏禹の建たる、嶧山碑文の石摺、及び周宣の石鼓文などを首として」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三)

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改訂新版 世界大百科事典 「石鼓文」の意味・わかりやすい解説

石鼓文 (せっこぶん)
Shí gǔ wén

中国に現存する最古の石刻文。唐初に陳倉(現,陝西省宝鶏市)で10個が発見され,高さ約90cm,直径約60cmの鼓形の石に刻まれているところから,この名がおこった。字体小篆しようてん)よりやや繁雑で,《説文解字》にのせる籀文(ちゆうぶん)に近い。内容は《詩経》に似た四字句の韻文で,現存する部分には狩猟をうたったものが多い。その製作時期については異説が多いが,戦国時代の秦でつくられたとするのが有力である。
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百科事典マイペディア 「石鼓文」の意味・わかりやすい解説

石鼓文【せっこぶん】

中国に現存する最古の石刻文。10個の太鼓状の石(高さ約90cm,直径約60cm)に刻してあるため,この名がある。製作年代は諸説あるが,戦国時代の秦で作られたとの説が有力。内容は狩猟のことを歌った韻文で,書体籀文(ちゅうぶん)(大篆(だいてん))に近い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石鼓文」の意味・わかりやすい解説

石鼓文
せっこぶん
Shi-gu-wen

中国陝西省宝鶏県で初唐に 10個発見された碣 (かつ) の一種に刻された文字。石鼓の形はまんじゅう形で,もと 700字以上あったといわれるが,現存するものは 272字である。前5世紀頃,秦でつくられたと考えられ,現在北京の故宮博物院にあるという。以前は周の宣王が狩りのとき功臣に与えたものともいわれたが,現在ではその説を支持する人は少い。

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