砂防ダム(読み)さぼうだむ(英語表記)debris dam

日本大百科全書(ニッポニカ) 「砂防ダム」の意味・わかりやすい解説

砂防ダム
さぼうだむ
debris dam

山地からの流出土砂を貯めるためのダム。砂防ダムは土砂災害防止のために、渓流河川に築造され、流出土砂を貯留し、下流への土砂流出を調節する。砂防ダムに土砂が堆積(たいせき)して河床が上昇すると、山脚が固定され、山腹崩壊が防止され、土砂生産が抑制される。また、土砂の堆積により河床勾配が緩くなり、河床浸食による土砂生産が抑制される。土石流抑止、減勢する機能もある。砂防ダムは普通はコンクリートでつくられ、洪水を流下させるために水通しを設け、堆砂後の浸透水を排水するために堤体に水抜きを設ける。砂防ダムには、岩石やコンクリートブロックを積んだものや、洪水時の巨石を貯留するために鋼製枠でつくられる透過型砂防ダムなどもある。

[鮏川 登]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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