上級裁判所が、下級裁判所の下した原判決を破棄して自ら原裁判所にかわって審理をやり直すこと。民事訴訟法上は、上告裁判所(最高裁判所または高等裁判所)は、上告を理由ありとして原判決を破棄する場合、その事件を原裁判所に差し戻して事実の確定をしなくても、原審の確定した事実(民事訴訟法321条1項)や上告審において認定した職権調査事項に属する事実(同法322条)に基づいて、自ら判決することができるときは、破棄差戻し・破棄移送(同法325条)をすることなく、その事件について自ら判決(自判)をしなければならない。上告審の自判は次の二つの場合に限られる。
(1)原判決が確定した事実について法令の解釈適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づいて裁判をなすのに熟するとき
(2)事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき(同法326条)
破棄自判は、本来ならば原裁判所が行うべきものを、訴訟経済上からこれにかわって上告裁判所が行うものである。刑事訴訟法上は破棄差戻しが原則であるから、破棄自判は例外である。
[内田武吉・加藤哲夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…そして原判決を破棄する場合には,上告裁判所がみずから事実認定をやり直して事件の内容について判断を下すわけにいかないため,原則として事件を原審に差し戻す(破棄差戻し)か,原裁判所に差し戻すことが不都合なときは,同等の他の裁判所に移送(破棄移送)する(325条1項)。原判決を破棄するとはいえ,原裁判所の事実認定は十分に行われており,上告裁判所が法令の解釈適用をみずからやり直しさえすれば事件が解決できる場合と,事件が裁判所の権限に属さないという理由で原判決を破棄する場合には,上告裁判所はみずから事件を落着させる判決(破棄自判)をすることができる(326条)。なお以上をみて明らかなように,上告審の手続には上告をしりぞける場合に関して,かなり書面審理主義が取り入れられている。…
※「破棄自判」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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