社会生活統計指標(読み)しゃかいせいかつとうけいしひょう

改訂新版 世界大百科事典 「社会生活統計指標」の意味・わかりやすい解説

社会生活統計指標 (しゃかいせいかつとうけいしひょう)

近年経済面やこれを取り巻く環境の変化は著しく,国民の価値観も経済成長から福祉へ,国民生活も量的拡大から質的充実へと変化し,多様化してきた。これに伴い従来の経済統計に加えて社会統計に対する需要も高まり,広範な地域別情報の体系的拡充と整備が必要となってきた。この社会統計整備の必要性は世界各国でも急速に広まり,1960年代終りころから国連では新SNA(1968年に改訂された国民経済計算の方式)との連結を目ざして社会・人口統計の体系化について論議が行われている。このような情勢にかんがみ,総務庁統計局(1984年6月までは総理府統計局)では,国や地方公共団体の各種施策の基礎資料とすることを目的として,1976年度から毎年〈社会生活統計指標〉の作成を開始した。この社会生活統計指標は,国民生活全般の実態を示す種々の統計を体系的に収集・整備するもので,当初都道府県データを中心に整備を開始したが,その後収集対象を市区町村データにまで拡大し,現在に至っている。データの収集は統計局と都道府県が共同して行い,これにより収集したデータを基に各種指標値を算出して,これを社会生活統計指標として公表している。その収集項目の範囲は,自然環境,人口世帯,経済基盤,学校教育,文化・スポーツ,労働家計,住宅・住環境社会保障医療,健康,安全など,国民生活に関連するあらゆる分野に及んでいる。

 なお,この社会生活統計指標に類するものとしては,このほか国民の福祉水準の時間的推移を測定することをねらいとして経済企画庁で毎年作成している〈社会指標〉がある(〈生活の質〉の項参照)。また各都道府県ではそれぞれ独自の観点から社会指標の開発を図っている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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