経済企画庁(読み)ケイザイキカクチョウ

デジタル大辞泉 「経済企画庁」の意味・読み・例文・類語

けいざいきかく‐ちょう〔ケイザイキクワクチヤウ〕【経済企画庁】

長期経済計画の策定、物価に関する基本的な政策の企画立案、各省間にわたる経済政策や事務の調整、内外の経済動向および国民所得などに関する調査・分析などを行った国の行政機関。昭和30年(1955)に経済審議庁を改組・改称したもので、総理府外局の一つであったが、平成13年(2001)内閣府に統合された。EPA(Economic Planning Agency)。

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精選版 日本国語大辞典 「経済企画庁」の意味・読み・例文・類語

けいざいきかく‐ちょう‥キクヮクチャウ【経済企画庁】

  1. 〘 名詞 〙 長期および年度の経済計画、経済全般の運営基本方針、経済に関する総合的基本政策の立案、調整および内外経済動向の調査分析などを担当した国の行政機関。経済安定本部に代わって置かれた経済審議庁が改称したもので、昭和三〇年(一九五五)総理府の外局として設置され、平成一三年(二〇〇一)内閣府に統合された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「経済企画庁」の意味・わかりやすい解説

経済企画庁
けいざいきかくちょう

国家行政組織法に基づき旧総理府の外局として設置された国の行政機関。1946年(昭和21)第二次世界大戦後の経済混乱に対応するために設置された「経済安定本部」を前身とし、52年に「経済審議庁」への改組を経て、55年に経済企画庁になった。さらに、2001年(平成13)1月の中央省庁再編に伴い、総理府、沖縄開発庁などとともに内閣府に統合された。

 経済企画庁は、長期経済計画の策定および推進、経済全般の運営の基本方針および毎年度の経済計画大綱の策定、物価に関する基本的な政策の企画立案および推進、二つ以上の行政機関の経済施策に関連する総合的かつ基本的な政策の企画立案(特定の行政機関の主管に属するものを除く)、経済に関する基本的な政策の総合調整、総合国力の分析および測定、内外の経済動向および国民所得などに関する調査および分析をその任務としていた。経済白書国民生活白書も経済企画庁が作成、公表したものであった。

 企画庁の長は、経済企画庁長官であり、国務大臣がなった。長官は、長期経済計画の策定および推進ならびに物価に関する基本的な政策の企画立案および推進のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、必要な資料の提出および説明を求めることができ、また、長期経済計画および物価に関する基本的な政策の推進のため、とくに必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、長期経済計画および物価に関する基本的な政策に関する当該行政機関の重要な政策および計画の立案について勧告することができる等の権限を有した。さらに勧告した事項に関し、とくに必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、当該事項について内閣法(昭和22年法律第5号)第6条の規定による措置がとられるよう意見を具申することもできた。

 経済企画庁には、内部部局として、長官官房のほか、調整局、国民生活局、物価局、総合計画局、調査局の5局が置かれ、審議会に、国民生活審議会経済審議会、施設等機関として、経済研究所が置かれていた。これらの行政事務の多くは、2001年以降、内閣府に引き継がれた。

[平田和一]

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改訂新版 世界大百科事典 「経済企画庁」の意味・わかりやすい解説

経済企画庁 (けいざいきかくちょう)

総理府の外局の一つであった,国の経済政策全般に関する総合調整,経済計画の立案,内外の経済動向の調査,消費者行政,物価行政等を担当する行政機関。1955年7月設置。政府部内における政策の計画化や経済政策の調整等の機能をもつ機関としては種々の変遷がある。1935年5月に設置された内閣調査局は内閣の重要政策の調査および審査等を担当する機関であった。ついで企画庁を経て,37年戦時体制のもとで企画院が設置され,国家総動員計画の設定運用,国土計画の設定等強力な計画機能をもって43年まで活動した。なお,44年から45年までの間に総合計画局が設置されている。第2次世界大戦後における経済政策に関する企画調整機関としては,46年8月経済安定本部が設置され,これが今日の経済企画庁の直接の前身と目される。同本部は内閣総理大臣の管理に属し,破局に瀕した経済の安定と復興のための緊急施策について,基本方針の企画立案,各省庁間の総合調整等の強力な機能を発揮したが,経済の復興に伴い,52年8月,国の経済政策に関する調査,企画,調整を主とするスタッフ的機関としての経済審議庁に改組され,ついで55年7月経済企画庁とされた。その後,71年環境庁設置時に水質保全部門を,74年国土庁設置時に総合開発部門をそれぞれ分離移管している。経済政策に関するスタッフ的機能に純化する方向をたどっていると見られよう。

 経済企画庁は国務大臣を長官とし,その内部組織は長官官房,調整局,国民生活局,物価局,総合計画局,調査局となっている。調整局は毎年度の予算編成や各分野の政策の基礎となる経済見通しの策定や経済政策の基本方針の調整,公共料金問題,経済協力に関する総合調整等を,国民生活局は消費者行政や《国民生活白書》の編集・刊行等を,物価局は物価に関する政策の調整や緊急対策,物価調査等を,総合計画局は経済計画の策定とそのフォロー・アップおよび電源開発の調整等を,調査局は国内および海外の経済動向の調査分析および《経済白書》の編集・刊行等をそれぞれ担当している。そのほか,経済研究所が付置され,経済一般の調査研究をはじめ,国民所得の調査分析,国民経済計算等を担当している。また,審議会としては,経済審議会と国民生活審議会があるが,このうち経済審議会は経済計画を審議立案する機能をもっており,200を超える政府の審議会のうちでも重要な審議会の一つである。2001年の省庁再編により総理府,沖縄開発庁と統合されて内閣府に改編された。
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百科事典マイペディア 「経済企画庁」の意味・わかりやすい解説

経済企画庁【けいざいきかくちょう】

1955年−2000年に存在した行政機関。長期経済計画,経済全般の運営基本方針,経済に関する基本的政策の総合調整などを行う総理府の外局。付属機関として経済研究所,経済審議会,国民生活審議会などがあった。長官は国務大臣。1952年経済安定本部に代わり経済審議庁が総理府外局として設立され,1955年改組,経済企画庁となる。中央省庁等改革基本法により2001年から総理府,沖縄開発庁と統合されて〈内閣府〉となった。
→関連項目経済白書消費動向調査都留重人林雄二郎

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済企画庁」の意味・わかりやすい解説

経済企画庁
けいざいきかくちょう

国家行政組織法および経済企画庁設置法により総理府外局として設置された国の経済政策の総合的企画調整機関。 1946年8月発足の経済安定本部を前身とし,52年8月に改組して経済審議庁となり,さらに 55年7月経済企画庁と名称を変更した。長期経済計画の策定,経済全般の運営の基本的方針,毎年度の経済計画大綱の策定,物価に関する基本的な政策の企画立案,経済に関する基本的な政策の総合調整などに関する事務を司る。国務大臣たる経済企画庁長官を長とし,内部部局として長官官房および調整,国民生活,物価,総合計画,調査の5局が設置され,経済審議会,国民生活審議会などの審議会,経済研究所がおかれた。 2001年1月省庁再編により沖縄開発庁,金融庁,総理府と統合され内閣府となった。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「経済企画庁」の解説

経済企画庁
けいざいきかくちょう

経済政策に関する企画調整官庁。1955年(昭和30)7月20日設置。総理府の外局。長官には国務大臣をあてる。1954年成立の鳩山一郎内閣が総合的経済政策を指向し,経済審議庁に計画推進権限を加えて経済企画庁に改組した。長期経済計画の策定推進,経済政策の立案調整,経済の調査分析などを任務とする。55年末に立案した経済自立5カ年計画が最初の閣議決定計画となった。その後,国民所得倍増計画や全国総合開発計画などを策定している。2001年(平成13)1月,総理府・沖縄開発庁と統合して内閣府となる。

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世界大百科事典(旧版)内の経済企画庁の言及

【経済計画】より

…現在の日本では,経済計画は首相の諮問に答える形で経済審議会が答申を作成し,内閣が閣議決定したものである。経済企画庁は計画作成の実務を担当する。明示的に包括的な経済計画を作成していない国でも,政府の財政活動について整合化が行われるかぎり,最小限の経済計画の活動が行われているといってよい。…

※「経済企画庁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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