社会鍋(読み)シャカイナベ

デジタル大辞泉 「社会鍋」の意味・読み・例文・類語

しゃかい‐なべ〔シヤクワイ‐〕【社会鍋】

救世軍歳末などに行う生活困窮者のための街頭募金運動。また、それに用いる鍋。慈善鍋 冬》伊達の娘がみて通りたる―/蛇笏

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精選版 日本国語大辞典 「社会鍋」の意味・読み・例文・類語

しゃかい‐なべシャクヮイ‥【社会鍋】

  1. 〘 名詞 〙 救世軍が歳末に行なう生活困窮者のための街頭募金運動。鍋をつるして募金を求めるところからいう。一八九四年サンフランシスコの港湾労働者のための募金運動が始まりといわれる。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「『例年の社会鍋(シャクヮイナベ)でございます。貧しい人達に正月のお餠をお恵み下さい。』と、救世軍の女士官の叫びに振り向いた私は」(出典浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉一三)

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百科事典マイペディア 「社会鍋」の意味・わかりやすい解説

社会鍋【しゃかいなべ】

慈善鍋とも。1908年に創立された日本救世軍が1919年以来行っている歳末の街頭募金。慈善事業資金を得ることが目的で,容器に鍋を用いる。当初,生活困窮者救済の慰問籠(かご)を贈る運動として起こったもので,諸外国でクリスマスに際して行われる募金運動にならったものといわれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会鍋」の意味・わかりやすい解説

社会鍋
しゃかいなべ

慈善鍋ともいった。救世軍が歳末に,不幸な人々の救済を目的として街頭で募金するときに使う鍋。世界的な行事であるが,容器は国によって違い,たとえばカナダではプラスチック球を使う。日本では 1909年に山室軍平によって始められ,年の暮れの風物として定着している。

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