社学(読み)しゃがく(その他表記)Shè xué

改訂新版 世界大百科事典 「社学」の意味・わかりやすい解説

社学 (しゃがく)
Shè xué

中国,明代に地方民間の子弟教育するために設けられた学校。元代,50戸を単位とする地方自治組織〈社〉に設けられた学校に端を発する。明初,洪武帝は,府・州・県学などの官学の不備を補うため,社学を積極的に普及しようとした。教員在地の下級読書人,学生は中流以下の家庭の子弟で,教課内容も,《小学》《孝経》,四書程度のごく簡単なものであったらしい。明中葉以後は廃れてしまった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社学」の意味・わかりやすい解説

社学
しゃがく
she-xue; shê-hsüeh

中国の郷村教化機関。南宋頃に起源し,明・清代に大いに発達した。明では国費によって経営される国学,郷学 (府州県学) のほかに,地方郷村の子弟を教育するために社学の設立奨励した。清でも府州県学の存在しない地に設けられ,近村人民の 12~20歳の子弟の教育を担当した。このように社学は郷村を基盤として存立するものであったが,政府の保護監督も強かったので,自治的な性格は次第に薄れていった。

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旺文社世界史事典 三訂版 「社学」の解説

社学
しゃがく

中国の地方自治組織である社が設立した学校
南宋時代に始まり,明代には政府が設立を奨励,六諭 (りくゆ) の普及とあいまって,農村における重要な庶民教育機関となった。中華民国以後は簡易小学校に改組されたものが多い。

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普及版 字通 「社学」の読み・字形・画数・意味

【社学】しやがく

郷村の学。

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