(読み)シ

デジタル大辞泉 「祀」の意味・読み・例文・類語

し【祀】[漢字項目]

[音]シ(漢) [訓]まつる まつり
神や先祖をまつる。まつり。「祀典合祀祭祀宗祀そうし奉祀

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精選版 日本国語大辞典 「祀」の意味・読み・例文・類語

し【祀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神をまつること。祭祀。祭。〔書経洪範
  3. とし。歳。年。古代中国、殷(いん)代における称。
    1. [初出の実例]「祀 トシ シ 殷代ハ曰祀」(出典:伊京集(室町))
    2. [その他の文献]〔爾雅‐釈天〕

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普及版 字通 「祀」の読み・字形・画数・意味


8画

(異体字)
16画

[字音]
[字訓] まつる・まつり・とし

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は巳(し)。巳は蛇の形。自然神を祀ることを祀という。〔説文〕一上に「祭りて已(や)むこと無きなり」とし、旁(つくり)を「已む」と解するが、卜文・金文字形は巳に従う。〔周礼、春官、司服〕「群小祀を祭る」の〔注〕に「林澤(りんたく)衍(ふんえん)(丘)、四方百物の屬なり」とあり、すべて地物を祀ることをいう。重文として録するは異に従う。異は鬼の正面形で、その尸坐する形。百物の怪異を祀る意である。蛇はわが国でも夜刀(やと)の神といい、渓谷を支配する神とされた。祀を年歳の意に用いるのは、殷の祖祭の体系で周祭五祀とよばれるものが、終始一巡するのにあたかも一年を要するので、その一巡するを一祀・二祀と数えたからである。もと自然神を祀る意の祀が、そのころには祖祭をよぶのに用いられた。祭祀という祭の字は、示(祭壇)に肉を薦める形で、祭儀の形式をいう字である。

[訓義]
1. まつる、まつり、もと自然神をまつる、のち祖祭をもいう。
2. とし、一年、殷代の祖祭の体系を行うのに一年を要したので、年祀を数える語となった。

[古辞書の訓]
名義抄〕祀・ マツル・マツリ・イノル・トシ・ヒトシ・ホカフ

[語系]
祀()・祠ziは同声。字形によっていえば、祀は巳(蛇)形の自然神、は神怪のものを祀り、祠は祝詞(さい))を奏して祈願する意。〔説文〕一上に「春の祭を祠と曰ふ」とするが、祠は時祭の名ではなく、年穀を祈る意であろう。

[熟語]
・祀紀祀儀祀享祀姑祀孔・祀事・祀社・祀舎・祀場祀牲祀竈・祀天・祀典・祀堂・祀物祀奉祀礼
[下接語]
祀・祀・雲祀・嘉祀・享祀・供祀・恭祀・祀・群祀・潔祀・元祀・五祀・孝祀・郊祀・合祀・国祀・祭祀・賽祀・祠祀・時祀・社祀・従祀・常祀・宗祀・大祀・冢祀・肇祀・祀・典祀・登祀・祀・燔祀・百祀・賓祀・報祀・望祀・卜祀・明祀・命祀・霊祀

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