祝棒(読み)イワイボウ

デジタル大辞泉 「祝棒」の意味・読み・例文・類語

いわい‐ぼう〔いはひ‐〕【祝(い)棒】

小正月の、粥占かゆうら成木なりき責め・嫁たたきなどの行事に用いる棒。ヌルデ・柳・栗などで作る。いわいぎ。

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精選版 日本国語大辞典 「祝棒」の意味・読み・例文・類語

いわい‐ぼういはひ‥【祝棒】

  1. 〘 名詞 〙 小正月にまじない的な用途に用いる棒。削りかけをつけたり、火にあぶって、だんだら模様をつけたり、豊産のまじないとして成木(なりき)や嫁の尻をたたく棒。粥杖。粥木。福杖。《 季語新年 》 〔俳諧・年浪草(1783)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「祝棒」の意味・わかりやすい解説

祝棒 (いわいぼう)

小正月の諸行事に用いられる棒。ヌルデ,柳,栗などの木を手に持てる長さに切り,一部を削掛けにするなど形状は多様で,男根を模したものもある。この棒は,粥をかき混ぜ先端についた粥粒の量で作柄を占ったり,果樹をたたいて豊饒(ほうじよう)を誓わせたり,ハラメン棒などといって嫁のしりをたたき多産を願ったり,また鳥追に用いることもある。
粥杖
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百科事典マイペディア 「祝棒」の意味・わかりやすい解説

祝棒【いわいぼう】

小正月(1月15日)の予祝行事に用いる神聖な木の棒。小正月の粥(かゆ)をかき回すために用いるので粥かき棒淡路(あわじ)では子どもが道行く娘の腰を打つので人こき棒,新嫁の腰を打って多産を望むので孕(はら)めん棒(鹿児島県),嫁たたき棒(関東地方),鳥追行事に用いるので鳥追棒などという。

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世界大百科事典(旧版)内の祝棒の言及

【成木責め】より

…まず2人一組になって果樹に向かい,1人が〈成るか成らぬか,成らねば切るぞ〉と唱えながら鎌や斧,なたなどで樹皮に少し傷をつけ,もう1人が果樹になったつもりで〈成り申す,成り申す〉などと答えると,傷の所に小正月の小豆粥が少し塗られるというのが一般的な形式で,おとなも子どもも参加する。樹皮を刺激することで豊産の実際的な効果もあるといわれるが,刃物とは別に祝棒や牛王(ごおう)の棒などでたたく所も少なくなく,あくまでも呪術的なものであろう。ヨーロッパにも類似の呪法がある。…

※「祝棒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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